- 2026/07/04 掲載
AIへの質問がうまい人は何が違うのか──「超深い話」をし続けるコツ
学生時代からインターネットサービスに携わり、2006年リクルートに入社。新規事業担当を経て、2009年にロケットスタート(後のnanapi)を創業。2014年にKDDIグループにジョインし、Supership取締役に就任。2018年から現職。会員制ビジネスメディア「アル開発室」において、ほぼ毎日記事を投稿中。「けんすうスピーク」配信中。
サービスデザイナー。ユーザーの行動設計や体験設計を主軸に、新規事業の企画やグロース、新技術の導入などの伴走を行う。2009年Art&Mobile、2013年クリエイティブファームTHE GUILDを設立。現在はnoteや弁護士ドットコムのCXOを務めるほか、横須賀市のAI戦略アドバイザーなど、領域を超えた事業アドバイザリーを行う。執筆、講演などでも精力的に活動。
前編はこちら(※この記事は中編です)
成果が出にくい「もったいないAIの使い方」の例
- ざっくりとした質問
- たとえば「この本を売るための戦略を考えてください」といったざっくりとした聞き方です。すると「Amazonで1位を取るのが大事です」といった通り一遍の答えしか出てこなくて、あまり役に立ちません。
- 検索のような使い方
- 使ってもいいですが、本領は発揮していません。
使い方としては、「超深い話をし続ける」を目指しましょう。人間同士で話していたら、たぶん2~3カ月かかっていた議論を1日で終わらせるぐらいの感じで、思考の深いところまで話していくのがいいと思います。
そのためには、次の2つが必要ではないかと思います。
「うまいAIの使い方」は、背景情報と評価軸を具体化する
- 自分の聞きたいことや、自分の状況などを詳細に設定しておくこと
- いま具体的に自分がどんなことをやろうとしているか、それについてどう考えているかなども添えます。
- どんな視点から意見が欲しいのかを明確にすること
- たとえば、左のような書き方になります。
あなたは競争戦略、ゲーム理論、進化論、組織論の観点から弱者が強者に勝つ条件を分析する戦略コンサルタントです。以下の問いについて短期的な戦術ではなく、現在の構造を前提にメタゲームの変化という観点から考察してください。僕は、自分のサービスについても生成AIと議論することがあるのですが、たとえば、次のようなことを聞きながら議論をしています。
前提:今のサービスはこういうもの/ユーザーはこんな人/制約条件としてこんなことがある
目的:こういうポジションを取りたいので、こういう方向に進もうと思っている
- 進めようと思っている方向性は合っているかどうか
- 失敗するとしたらどんなケースが考えられるだろうか
- その上でどんな機能を作ったらいいか
- そもそもそんなユーザーはいるだろうか
- 具体化するとどうか/抽象化して考えるとどうなるか
- 隣接する業界との違いはどうか
- 他の類似する事例ではどうなっているのか
- 別の軸はないか
- その別の軸を当てはめるとするとどうなるか
- どんな機能があるといいのか
- 海外ではどんな状況か
その議論も1回だけでなく、何十回も繰り返しています。ある程度固まったところで整理してもらい、それをまた別のAIに聞いて、意見をもらう、ということを繰り返しています。
【次ページ】「AI導入したのに使えない」という企業にありがちな誤解
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