- 2026/07/10 掲載
ChatGPT Workは何がスゴイ?Word・Excel業務を「最後まで実行」するヤバすぎる実力(2/2)
なぜ「開発者向けCodex」が普通の業務に使えるのか
ChatGPT Workの中核を理解する上で欠かせないのが、OpenAIの開発支援エージェント「Codex」である。Codexはもともと、コードを読み、ファイルを編集し、プログラムを実行して、ソフトウェア開発を進めるためのAIとして発展してきた。単にコードの書き方を回答するのではなく、複数のファイルを確認し、必要な変更を加え、結果を検証するところまで進めるのが特徴だ。
この仕組みを使って、プログラムのファイルを読み書きする代わりに、文書や表計算を扱う。開発環境でテストする代わりに、ブラウザや業務アプリを操作して結果を確かめる。複雑な目標を小さな作業へ分解し、順番に処理するという基本構造は変わらない。
米Business Insiderによると、ChatGPT Workには、コンピューター内のファイルを変更する機能や、ブラウザ上で自律的に作業する機能など、Codexで培われた能力が取り込まれているという。
OpenAIのCodex責任者も、ChatGPTとCodexの統合は最初の一歩にすぎず、Web、モバイル、デスクトップにまたがる体験を慎重に統合していく考えを示した。
Claude Coworkの後追いだけでは説明できないワケ
ChatGPT Workは、米アンソロピックが展開する「Claude Cowork」への対抗策とみられている。Claude Coworkも、開発支援ツールClaude Codeの能力を一般業務へ広げ、ファイル操作や資料作成などを担わせる考え方を採用しているためだ。確かに、「開発者向けAIを非エンジニアへ広げる」という構図はよく似ている。ただ、公開情報をつなぎ合わせると、OpenAIの狙いは競合機能を追加するだけではないように見える。
The Vergeは、OpenAIがAIブラウザ「ChatGPT Atlas」を終了し、その利用者から得た知見をChatGPT Workのブラウザ機能へ生かしたと報じている。これに先立ち、ChatGPT、Codex、Atlasをデスクトップ上の「スーパーアプリ」へまとめる計画も報じられていたという。
ChatGPTが利用者との会話を担い、Codexが複雑な作業を進め、Atlasで培った技術がWeb操作を支える。ChatGPT Workは、それまで別々に展開してきた技術を、1つの業務環境へ集約する試みと読み解ける。
この点で、ChatGPT Workが狙っているのはWordやExcelなど、特定のアプリを単純に置き換えることではないだろう。利用者が複数のアプリを開いて情報を移し替える代わりに、最初に業務を依頼し、最後に成果物を受け取る「仕事の入口」になる構想とみられる。
もちろん、実際にどの程度の作業を任せられるかは未知数だ。それでも、ChatGPT Workが示した方向性は小さくない。チャット画面の中で回答を返していたAIが、ファイルやブラウザ、業務アプリの間を動き、成果物を作る存在へ変わろうとしているからだ。
ChatGPT Workの本当のスゴさは、個別の新機能ではなく、ChatGPTそのものを「相談するAI」から「仕事を進める場所」へ作り替えようとしている点にあると言えそうだ。
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