- 2026/09/14 08:00 掲載
米AnthropicがAIが米国経済に与える2030年経済予測、知識労働の17.9%が失業も
AIの能力と導入速度に応じて3つのシナリオを提示
労働市場への影響は小さく全体失業率は3.9パーセントに収まる。実質的なシナリオでは2030年までにAIが知識労働の約半分を自律的にこなすようになり、国内総生産は8.3パーセント増加する。経済成長率はドットコムブーム期を上回る年5.4パーセントに達する。労働供給が増加して希少性が低下するため、知識労働者の賃金はマイナス0.3パーセントとわずかに下落する。
一方、AIによる代替が難しい非認知労働者の賃金は5.9パーセント上昇する。極端なシナリオでは自己改善を繰り返すAIが知識タスクの大半を人間以上の生産性で処理し人間向けの新しいタスクは生まれない状態を想定している。国内総生産はAIがない場合と比べて32.4パーセント増となり、年間の経済成長率は15.4パーセントという前例のない水準に到達する。
経済規模が爆発的に拡大する反面、知識労働者の失業率は17.9パーセント、経済全体の失業率も11.9パーセントにまで上昇する。国民所得における労働分配率は現在の60パーセントから45.2パーセントへ急落し、国内総生産の増加分がほぼそのまま資本所得へ流れることで所得構造が転換すると算出している。同社が併せて実施した米国成人約1万人を対象とする調査では、回答者の中央値が実質的なシナリオに近い将来像を描いていることがわかった。
報告書はこれらの試算を確定的な未来予測としてではなく、政策立案者や研究者がAIの普及速度や機能水準の違いが社会にどのような影響をもたらすかを把握するための枠組みとして提示している。人型ロボットの急速な進歩による物理タスクへの影響は今回のモデルから除外されており今後の検証課題とされている。
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