語学学習サイトの
Babbel.comは昨年11月、「フリーミアムモデルを捨てる」と発表して注目を集めた。運営するドイツのベンチャー、レッスンナインは「新バージョンのサービスでは広告収入で運営をまかなうのではなく、有料サービスとする」とプレスリリースで述べている。
Babbel.comは、語学学習にSNSを組み合わせ、コミュニティをつくって実用的に外国語を学べるというサイトだ。ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、英語の各言語の学習コンテンツがあり、文法や単語のレッスンでは、Flashを利用した画面でクイズのようにトレーニングする。ユーザーはレベルに合わせて同社からメールでアドバイスを受けながらステップ・バイ・ステップで学べる。
SNSでは、ユーザー同士の掲示板やチャットがあり、学んでいる言語のネイティブスピーカーと接する機会を提供する。これで地味な積み重ねの語学学習でもモチベーションを維持することができる。コンテンツは、Babbel.comが提供するベーシックなものに加え、ユーザーが提案したものも取り込むというUGC(ユーザー作成コンテンツ)の仕組みも取り入れている。
2008年1月にサービスを開始。約50万人の登録ユーザーを獲得していたが、フリーミアムから転換して、広告も全廃。サンプルコンテンツだけを残して、全面有料化した。料金は月額6.65ドルから同11.95ドルに設定されている。
レッスンナインは有料化の理由について、著名な出版社や語学専門家からライセンスされるコンテンツの質の維持や、ユーザーが提供してくれるコンテンツのチェックなどにコストがかかると説明。また、共同創設者でマーケティング担当のマルクス・ヴィッテ氏は、ブログで「広告は語学学習で必要な集中力を妨げる」ため、このサービスには合わないと結論したとも述べている。新サービスは好調のようだ。