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  • 2010/02/22

「フリー」からの離脱、有料化で成功しそうな例、無惨に失敗した例【○○はビジネスになるか(7)】

「ペイウォール」(課金の壁)とは

「フリー」と「フリーミアム」は2009年の流行語となり、さまざまな分野で取り入れる動きが活発化した。しかし、その中で、まったく逆にフリーからの離脱を宣言したビジネスもある。「ペイウォール」(課金の壁)を乗り越えて、軌道に乗りそうなものもあれば、無残な失敗に終わりそうなものもあるようだ。2つの「脱フリー」の例からみていこう。

行宮翔太

行宮翔太

ローカルTV記者、全国紙記者を経て、ITやビジネス分野のライティングを手がける。NTTPCコミュニケーションズ運営時のCNET、(株)ガリレオの「Infostand」などで執筆。四半世紀以上前に数年間住んだインドが“IT先進国”になったことを、どうしても信じられない。

フリーミアムと広告モデルをやめた「Babbel.com」

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Babbel.com
 語学学習サイトのBabbel.comは昨年11月、「フリーミアムモデルを捨てる」と発表して注目を集めた。運営するドイツのベンチャー、レッスンナインは「新バージョンのサービスでは広告収入で運営をまかなうのではなく、有料サービスとする」とプレスリリースで述べている。

 Babbel.comは、語学学習にSNSを組み合わせ、コミュニティをつくって実用的に外国語を学べるというサイトだ。ドイツ、スペイン、フランス、イタリア、英語の各言語の学習コンテンツがあり、文法や単語のレッスンでは、Flashを利用した画面でクイズのようにトレーニングする。ユーザーはレベルに合わせて同社からメールでアドバイスを受けながらステップ・バイ・ステップで学べる。

 SNSでは、ユーザー同士の掲示板やチャットがあり、学んでいる言語のネイティブスピーカーと接する機会を提供する。これで地味な積み重ねの語学学習でもモチベーションを維持することができる。コンテンツは、Babbel.comが提供するベーシックなものに加え、ユーザーが提案したものも取り込むというUGC(ユーザー作成コンテンツ)の仕組みも取り入れている。

 2008年1月にサービスを開始。約50万人の登録ユーザーを獲得していたが、フリーミアムから転換して、広告も全廃。サンプルコンテンツだけを残して、全面有料化した。料金は月額6.65ドルから同11.95ドルに設定されている。

 レッスンナインは有料化の理由について、著名な出版社や語学専門家からライセンスされるコンテンツの質の維持や、ユーザーが提供してくれるコンテンツのチェックなどにコストがかかると説明。また、共同創設者でマーケティング担当のマルクス・ヴィッテ氏は、ブログで「広告は語学学習で必要な集中力を妨げる」ため、このサービスには合わないと結論したとも述べている。新サービスは好調のようだ。

有料化3カ月で読者は35人

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newsday.com
 オンラインコンテンツの有料化に最も熱心なのは新聞業界だろう。新聞社のビジネスの多くは、規模の大小を問わず、広告不況とネット化による部数減で経営難に直面している。コンテンツの質にはコストがかかり、経営合理化にも限界がある。Webコンテンツを有料化して非広告の収入源を得たいというのは共通の願いだ。ただ、それも容易ではない。

 ニューヨークのロングアイランドの地元日刊紙ニューズデイは昨年10月、オンライン版のnewsday.comの有料化に踏み切った。経済紙以外では非常に珍しい一般紙の有料化として、メディア業界でも注目を集めたものである。同社はWebサイトを400万ドルかけてリニューアル。週5ドルまたは年間260ドルの購読料でスタートを切った。

 そして3カ月後の契約者数は――35人。その間の総売上は約9000ドルだったという。しかも、有料化と同時にWebサイトへのアクセスも激減。ユニークビジター数は10月の220万から、12月には150万まで減少。広告価値も下がってしまった。

 ニューズデイには同情すべきところもある。というのも紙版の読者や地元CATVの契約者はオンライン版に無料でアクセスできるようになっており、同紙によると、ロングアイランドの住民の75%が、そのいずれかに加入しているからだ。

>>次ページ 「ペイウォール」(課金の壁)

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