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  • 2010/02/19 掲載

難易度係数で委託企業を比較する【事例から学ぶ、OSSでコスト削減を成功させるコツ (1)】

ビーブレイクシステムズ 営業担当取締役 高橋 明氏

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ようやく景気も底を打った感があるが、2010年も依然経営陣から情報システム部門へのコスト削減要求は強く、多くの担当者が頭を悩ませていることだろう。こうした中、かねてよりコスト削減を期待されていたオープンソースソフトウェア(以下、OSS)が改めて注目されている。OSSは確かにソフトウェアそのものの使用料はかからないが、何も考えずに採用するとOSS特有の問題に直面することがある。本連載ではできるだけ現実の事例に基づき、OSS採用時の問題を軽減し、ITコストを削減するためのノウハウをご紹介する。

高橋 明

高橋 明

ビーブレイクシステムズ 営業担当取締役
早稲田大学商学部卒業。大学卒業後日興コーディアル証券にてリテール、法人営業を行う。その後ビーブレイクシステムズの設立に参画し、現在に至る。専門は会計システムに関するコンサルティングセールス。

不況を背景に、オープンソースでのコスト削減ニーズが活性化

 2008年9月に発生したリーマンショックをきっかけとして、2009年は世界同時不況に見舞われた。特定サービス産業動態統計調査上で、情報サービス業の売上計上が集中する9月と3月のリーマンショック後の売上合計の実績値をみると、2009年3月が1,798,696百万円(前年同月比約-12.2%)、2009年9月が1,208,171百万円(前年同月比-12.3%)と、2008年の3,9月と比較して、それぞれ二桁のマイナスとなっており、未だ回復の傾向は見えていない。

 リーマンショック前は、SE・PGが不足しているため、ベンダーが新規の受注を控えるということがあったが、そのような状況は解消され、むしろ現在はSE・PGの人余りが問題となっている。この問題はベンダーによるオフショア開発の利用が浸透してきた影響もあるが、主因はユーザー企業の業績が悪化し、IT投資予算が大幅に縮小されているためである。ユーザー企業はその縮小された予算内で、優先度の高いものだけにIT投資をし、かつ、現行あるシステムの運用保守費用を削減することで新規投資へ振り向ける予算を捻出しようとしているのである。

 そのため、初期コストが抑えられつつ、高機能なシステムを使うことができるクラウドや無償で利用できるオープンソースソフトウェア(以下OSS)の活用を検討するユーザー企業が増えているのだ。大手IT系調査会社のIDC Japanが、OSSの具体的に導入を検討している企業280社に対し行った調査によれば、2008年の金融危機以降の不況によるIT投資削減が、OSSの導入検討のきかっけとなったと回答した企業が47.1%にのぼったという。

 一方で、OSSの導入が必ずしもコスト削減に直結するとは限らない。外部にシステム開発を依頼する際に共通する基本的な考え方に加え、OSS特有のノウハウを無視しては、期待はずれに陥る可能性もある。そこで本稿では、OSSをどう活用すればコストを最適化できるのか、その手法についてご紹介していこう。

OSSベンダーの類型とその特徴

 まずはOSSソリューションを、日本国内でビジネスとして提供しているOSSベンダー・企業をビジネス(ビジネスモデル、マーケティング、営業活動など)の取り組み方の違いによって分類をしてみよう。主に3つのパターンがあると筆者は考えている。

1.OSSサポートベンダー

普及しているOSS(例:Linux、PostgreSQL、Struts)の導入や保守サポートを行い、収益を得ているベンダー。自社でリスクをとってOSSを開発することはせずに、ビジネスユースに耐えうる、普及している/普及すると判断したOSSのみをサポートする。特徴としてはOSSに関する目利きがある、つまり、調査力があり、マーケティングに力を入れている企業であるということ。すぐに収益に直結しにくい調査やマーケティング活動に力を入れるためには、一定の経営体力が必要となるため、上場している大手メーカーやソフトハウスであるケースが多いのも特徴だ。また、海外で普及したアプリケーション層のOSS(例:SugarCRM、Pentaho)のサポートのみをするベンダーもある。

2.OSS提供型ベンダー

自社で構築したシステムのソースコードを公開し、そのOSSの周辺ビジネスで収益を上げる企業。このような企業だとソースコードの公開に関しては、(1)当初から構築したシステムをOSSとして公開する、(2)従前から販売していた商用製品をオープンソース化する、の2パターンが考えられる。

(1)の企業の特徴は、技術力が強い/技術志向であるということ。理由は、経営側に一定水準以上の技術/オープンソースビジネスに関する理解がなければ、ビジネス的な観点から当初から開発したシステムをオープンソース化することは考えにくい。また、経営側のオープンソースに対する考え方に共感し、オープンな技術・ソフトウェアを世に送り出したいと考えている尖ったエンジニアがOSS開発の先頭に立っているケースが多いからだ。

(2)の企業の特徴は、マーケティング/営業活動に力点をおいたベンダーであるということだ。理由はマーケティング活動の一環で商用製品のオープンソース化を行っている場合が多く、(a)エントリー版をオープンソースで提供し、それに付加価値を付けた商用製品を有償で提供する、(b)保守サポートやOSS導入に絡むハードウェアなどの周辺ビジネスで収益を上げる 、といったことを想定していると思われる。また、そもそも商用製品として販売していたものをオープンソース化するため、製品としての完成度は非常に高いのも特徴だ。

3.OSS受託開発型企業

ビジネスユースに耐えうるOSS(例:Struts、Tomcat)を活用した受託開発を行う。OSSを商用製品同様のビジネスツールとして捉えており、商用製品では顧客のIT投資予算オーバーになってしまうのでOSSを活用する。多くのシステム開発企業がこれに当てはまる。このような企業が今後より一層増えることで、結果的にOSSの底上げ・普及が進むと思われる。

>>次ページ OSS導入ベンダー選定のコツ

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