- 2026/08/01 07:00 掲載
日本政府が2040年に向け半導体、空飛ぶクルマなどに集中投資、戦略産業クラスター策定
第一弾として全国7地域13件のプロジェクトを公表
AI半導体(北海道・四国・九州)は半導体メーカー「ラピダス」を中核として、研究開発や人材育成を進め、2040年までに官民で7兆円余りの投資が予定されている。ラピダス以外にも半導体への投資が各所で進められる。東北では岩手県の「北上川バレープロジェクト」などを通じた産学官での半導体集積と人材育成、広島県では先端メモリ(DRAM)の製造中核拠点の整備(3.2兆円規模)、九州では次世代AIや最先端メモリの供給網の確立(約2.5兆円規模)が計画されている。
空飛ぶクルマ(近畿)では大阪・関西万博でも注目を浴びた分野で、2040年までに官民で300億円余りを投じる計画。洋上風力(北海道・九州)は、北海道では鉄鋼や造船などの港湾インフラを活用した風力関連産業の育成を計画。また、九州では風力発電機大手ベスタス社の北九州市への進出を契機に、アジアにおける洋上風力産業の拠点化を目指す。
宇宙ロケット・射場(近畿)では、和歌山県の「スペースポート紀伊」を核として、次世代民間ロケット「カイロス」などの開発・打ち上げ拠点を整備し、アジアにおける宇宙ビジネスの商業ハブを目指す。また次世代船舶(四国)では今治造船や新来島ドックなどの高い造船技術を結集し、環境規制に対応した「ゼロエミッション船」の開発や、舶用機器から建造、修繕までを一気通貫で担うサプライチェーンの構築に5,000億円を投じる。
民間航空機MRO(関東)は、成田国際空港の周辺において、航空機エンジンの試運転施設などを整備し、国内外の航空関連の外需獲得や高度航空整備士の育成を目指している。
これまでの単年度ごとの補助金に依存した地方支援策からの脱却を図るため、政府は要求上限を設けない新たな投資枠を活用し、複数年度にわたる資金の予見可能性を確保する方針を示している。インフラ整備に加え、高等専門学校や大学の理工系学部の再編を通じた高度専門人材の育成をセットで進め、地域に労働力と知的資本を定着させる狙いがある。
これらの計画は、単なる企業の工場誘致にとどまらず、国が主導して道路や工業用水、アクセス鉄道といったインフラ整備や、高専・大学などと連携した人材育成までをパッケージとして一体的に進めるのが特徴です。巨額の国費投入を伴う本計画に対しては、国債増発による財政悪化を懸念する指摘が出ている。過去の産業クラスター計画の多くが補助金の終了とともに自然消滅した経緯を踏まえ、地域外への取引額を示す客観的指標に基づく厳格な評価体制の運用が求められる。民間投資を継続的に引き出すためには、インフラ整備と歩調を合わせた大胆な規制緩和や税制上の優遇措置を適切に組み合わせることが不可欠となる。
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