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  • 2010/10/08

【インタビュー】 「使いやすい通信モデムが欲しい」 その思いが形になったサンデンのM2Mモジュール搭載通信モデム

サンデン エレクトリックEngセンター センター長 中島和也氏 に聞く

カーエアコンや自動販売機のメーカーとして有名なサンデンが、ソフトバンクモバイルの通信網に対応したM2M向けの通信モジュール搭載機器を開発しているとは、知らない方も多いのではないだろうか。機器のオペレーションを省力化する目的でスタートし、今では幅広い用途に応用されている。ユーザー視点を貫き続けた開発秘話を、サンデン エレクトリックEngセンターのセンター長である中島和也氏にうかがった。

ユーザーの立場からスタートした通信モデム開発

photo
サンデン
エレクトリックEngセンター
センター長
中島和也氏
 街角で頻繁に見かける自動販売機。これらの開発、製造もサンデンの主要事業のひとつだ。今では当たり前となった、自動販売機のネットワーク対応。しかし、かつては機器がネットワークにつながることは夢のまた夢であったと、中島氏は言う。自動販売機のネットワーク対応については、実現当初は有線で結んでおり、やがて一般化した無線パケット通信網を利用するようになった。

「当初は、他メーカーの通信モデムを購入して組みこんでいました。しかし、バージョンアップや通信方式の変更など通信モデムの都合に振り回されることが多く、組み込みに伴う開発負荷が大きくなってしまったため、通信モデム自体の自社開発に乗り出しました。」

 中島氏は、通信モデム開発のきっかけをそう教えてくれた。開発負荷を増やしていた最大の要因は、通信プロトコルの違いだ。通信方式や通信キャリアが変わるたびに、通信プロトコルが少しずつ変わってしまうため、自動販売機側の通信プログラムを書き換える必要があった。本来、通信機能は付加機能であり、その開発に大きなリソースを投じるのは本意ではない。まして、通信機器に合わせるというだけのために、毎回プログラムを書き換えてチューニングしなければならないことに、疑問を感じたのだという。

 こうしてスタートした通信モデムの自社開発プロジェクトの最大の目的は、プロトコルフリー化だった。通信方式が変わっても、その変化を通信モデムが吸収し、組み込み先の機器には影響を与えないこと。そうすれば、通信モデムが接続される上位機器のカスタマイズなしに、新たな通信規格に対応していくことが可能となる。

 2年以上の歳月をかけ、互換性についてチェックを重ね、サンデンオリジナルの通信モデム「moderno <モデルノ>」は完成した。完成品を展示会に出展したところ問い合わせが多数よせられ、自社製品に組み込むだけではなく、広く販売されることになった。

使いやすく、管理しやすいことを主眼においた機能群

 サンデンの通信モデム「moderno <モデルノ>」の最大の特徴は、なんといってもプロトコルフリーであること。無線通信網のプロトコルが変わっても、通信を行う上位機器側への改変は不要だ。対応する通信モデムを組み込むだけで、新たな通信方式に対応する。

画像
左より、シリアルインターフェイス搭載の「moderno.S」、シリアル/LANインターフェイス搭載の「moderno.M」


「かつて、通信モデムのユーザーとして開発していた経験を元に、自分が困っていたこと、やりたくなかったことを自動化できる製品を作りたかったんです。自分が使いたい製品を作る、という視点は今でもなくしていません。」

 常にユーザー視点で開発してきたと、中島氏は胸を張った。また、Ethernetポートを備えていること、高感度の広帯域アンテナが用意されていること、リモートリサーチシステム(RRS)が搭載されていることも、大きな特徴として挙げられる。

 電子マネーなど高いセキュリティが求められる活用シーンが増えたため、Ethernetポートの需要は増えているそうだ。Ethernetとシリアルポートの両方を使って2系統の機器を接続できるよう工夫されており、上位機器への対応の幅を広げている。

 群馬大学、群馬産業技術センターと共同開発したアンテナは、3G通信に利用される帯域だけに特化するのではなく、あえて広帯域に対応した仕様となっている。これは通信感度を最大化するためのチューニングの結果でもあるが、利用される電波帯が変わるたびにアンテナを選びなおす手間が省ける利点がある。これにより、アンテナを変えずに通信モジュールのみを変更し、通信方式を変更することができる。また、海外でのローミングやGPS機能も視野に入れているからだという。

 もうひとつの特徴であるRRSは、ユーザー視点と管理者視点の双方から発想された機能だ。リモートで通信モデムの状態を監視できる機能で、異常発生時の初動調査で役に立つと中島氏は紹介してくれた。

「データがアプリケーションまで届かないとき、はたして通信モデムの異常なのか、単に電波状況が悪いだけなのか、または上位機器の故障なのか、以前は現地に行かなければ確かめられませんでした。しかし過去数時間の電波状況を含め現在の通信モデムの状態をリモートで監視できるRRSが実装されてからは、通信異常の原因についてある程度推測できるようになりました。」

 実際にあったケースでは、夜間にシャッターが閉められるために電波状況が悪化し、通信できなくなっていたケースや、省エネのために夜間は建物全体の電源が切られ、通信できなくなっていたケースなどがあった。これらは、通信が復帰してから稼働状態のログを見ることで原因を推測できたケースだ。

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