5Gにむけた日本の取り組み
この2月26日~3月1日に開催された世界最大級のモバイル関連カンファレンス「MWC2018」や、2018年2月に開催された韓国・平昌(ピョンチャン)オリンピック・パラリンピックなどで第5世代移動通信システム(以下、5G)の実用化に向けた動きが紹介・展示されている。2020年に実現が期待されている5Gへの注目度が高まっている。
日本では、3月27日、28日に、総務省主催による「5G国際シンポジウム2018」が開催され、総務省が2017年度から実施している新たな市場創出を目指す実証プロジェクト「5G総合実証試験」の成果が発表された。
5Gの特徴は、最高伝送速度 10Gbps の「超高速・大容量」、100万台/km2の接続機器数が可能となる「多数接続」、そして、1ミリ秒程度の遅延の「超低遅延」といった特徴を持つ次世代の移動通信システムとして、早期実現が期待されている。
「5G総合実証試験」では、5Gを社会実装させることを念頭に、「超高速・大容量」「多数接続」「超低遅延」の技術検証も踏まえ、物流分野やスポーツの分野など具体的なフィールドを活用した総合的な実証試験を日本各地で実施している。
「5G」に向け、どんな実証試験が実施されているか
平成29年度の5G総合実証試験の実施概要は以下のとおりだ。
「5G総合実証試験」では、超低遅延など、コネクテッドカーや建機の遠隔操作、トラックの並列走行といったように、自動車分野をはじめとした移動体分野での実証を紹介する。
KDDIとトヨタIT開発センターは、高画質な画像を低遅延で送受信できる5Gの特徴を活用し、車載カメラが撮影した映像データを5G経由でクラウドの解析サーバーにアップロードし、違反車両の追跡など、クルマによる動く監視カメラの実現を目指している。
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