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  • 2011/04/14

震災と原発事故を通して見えたTwitterとキュレーションの力:○○はビジネスになるか(21)

メディアのあり方にも地殻変動

前回は、情報を選別し、整理する新しいトレンドとして「キュレーション」を取り上げたが、それがどれだけ役立つかを実証する場面が図らずもやってきた。3月11日に発生した東日本大震災と、これに続いた東電福島第一原発の事故だ。テレビ、新聞をはじめとするマスメディアは連日、怒濤の報道を繰り広げたが、これとは別にネット上では、違った角度からさまざまな情報を入手することができた。今回の震災ではメディアのあり方についても大きな地殻変動を伴ったようだ。

行宮翔太

行宮翔太

ローカルTV記者、全国紙記者を経て、ITやビジネス分野のライティングを手がける。NTTPCコミュニケーションズ運営時のCNET、(株)ガリレオの「Infostand」などで執筆。四半世紀以上前に数年間住んだインドが“IT先進国”になったことを、どうしても信じられない。

Twitterを通じて知った情報

 既に多く語られていることだが、震災と原発事故についての情報入手ではTwitterが圧倒的な存在感を見せた。電話がつながらず、状況も刻々と変化してゆく中では、ほぼリアルタイムで情報が流れるTwitterは非常に有効だ。テレビなどでは知ることのできない、被災地の状況、現地で活動する人たちのナマの情報に接することもできた。

 筆者に印象深かったのは、現地入りした自衛隊員のツイートだった。短くも、優しさあふれるつぶやきで、胸が熱くなった。ほかにも、地震発生からの状況をつづった福島第二原発女子社員のブログ(その後削除)もあった。また、トイレットペーパー騒動など、膨大な情報がTwitterを通して発せられた。

 これらは、以前からフォローしていたジャーナリストや言論人などのツイートを通じて知った。いずれも筆者が信頼できると思う人たちであり、震災に際してキュレーターの役割を果たしてくれた。その一人でジャーナリストの佐々木俊尚さんは、震災発生当初から国内外発のさまざまなニュース、ブログなどを紹介して、事態を多面的に分析している。毎日のツイートをまとめて、その名もズバリ「佐々木俊尚の震災キュレーション」をFacebook上で公開し続けている。

 また、kaokaokaokaoことジャーナリストの福島香織さんのツイート(http://twitter.com/kaokaokaokao)からは、大震災を取材する中国人記者たちが、どう考え、何をしようとしているかがわかり、中国のメディアを理解するのに役立った。

 筆者がフォローしている人の中で、最も多くの人に貴重な情報を提供しているのは、東京大学理学系研究科物理専攻長の早野龍五さん(http://twitter.com/#!/hayano)だろう。早野さんは、原発と放射能の関連情報をまとめ、グラフなどに可視化し、さらに他の専門家に呼びかけて、多角的な情報提供を続けている。フォロワーの数は15万を超える。

 早野さん自身はマスコミの取材は拒否しているようで、Twitterを通してしか、人となりを知ることができないのだが、ひょうひょうとした語り口は安心感をかもしだしている。内容は少々高度なのだが、「福島第一原発1号機で3月25日ごろに再臨界になっていたとする考えについての解説」のように、質問に対しては、非常にわかりやすく答えてくれる。その活躍ぶりは、ウォールストリート・ジャーナルでも紹介された

 これらはあくまで筆者のコンテクストの中での話なので、他の人にとっても意味がある話とは限らない。ただ、こうした人たちの存在によって、Twitterの存在感が増すとともに、キュレーションの役割もまた広く知らしめられることになったことは間違いないだろう。今後、Twitterとキュレーションはセットにして語られることが多くなるのではないか。そこでTwitterを使ったキュレーションの仕組みと、これを支えるサービスについて検討したい。

【次ページ】メディアを変えるTwitter+キュレーション

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