――膜分離、水処理、海水淡水化の分野で、目覚しい業績を上げてこられました。これらの業績を得るために、日ごろ常に意識して実践していることはあるのでしょうか。
【栗原 優氏(以下、栗原氏)】
私は、東大の受験に失敗し、群馬大学から縁あって東レの鎌倉基礎研究所に入りました。当時の基礎研究所は、国内外の一流の研究者が集い、論文でもただ書くだけではゴミ箱に捨てられるような厳しさがありました。ノーベル賞を受賞した科学者が、研究所を訪れ、研究者は彼らを目の前で見て、話を聞き、議論できた。つまり私は、一流の環境に飛び込むことができた。以来、意識して一流に飛び込んでいくことを続けてきました。
――具体的に、どのようなことをされたのでしょうか。