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  • 2013/02/19

【ITビジネスと孫氏の兵法(10)】「廟算(びょうさん)で勝つ」:プランニングが全て

民主党 藤末健三・フューチャー・デザイン・ラボ 後藤洋平

孫子は、戦争を始める前の廟算(作戦会議、廟とは政治を行う部屋のこと)の重要性を強く主張する。存亡をかけた戦いに確実に勝利をおさめるには、事前の計画が不可欠であり、かつ計画の段階で「勝てる」という判断を全体で共有できなければならないという。確実に勝てると思って戦いをはじめても、予想外のアクシデントが発生して苦労してようやく勝利をおさめるのが常だろう。はじめから勝算のない戦いを始めて勝てるわけがない。

藤末健三、後藤洋平

藤末健三、後藤洋平

藤末健三

早稲田大学客員教授
中国清華大学顧問
民主党参議院議員


フューチャー・デザイン・ラボ
後藤洋平


1982年大阪市生まれ。東京大学工学部システム創成学科卒。在学中は堺屋太一ゼミナールにて「どうして売れる ルイヴィトン」執筆や東大ブランドショップ立ち上げに参加など活動多数。現在、株式会社フューチャー・デザイン・ラボにて数々の新規事業立ち上げに参画している。


<原文>
夫れ未だ戦わずして廟算[びょうさん]して勝つ者は、算を得ること多ければなり。未だ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。而るを況や算なきに於いてをや。(1.4)

<対訳>
そもそもまだ会戦もしないうちから廟堂で目算して既に勝つのは、五事・七計を基準に比較・計量して得られた勝算が、相手よりも多いからである。まだ戦端も開かぬうちから廟算して勝たないのは、勝算が相手よりも少ないからである。勝算が多い方は実戦でも勝利するし、勝算が少ない方は、実戦でも敗北する。ましてや勝算が一つもないというに至っては、何をかいわんやである。

 事業展開においても、成功する経営者は、まずビジネスプランで勝つ段取り、道筋をつけておいてから事業をおこない、失敗する経営者は、とりあえずスタートをしたあとに、何をしようかと考えるものである。

 ビジネスプランの立案においては、事前の計画の精度の高さが勝敗を分ける。プランニングの段階で、成功の見通しの立たない事業は必ず失敗すると考えておこう。ビジネスプランのない事業展開など論外だ。

 新事業の目的、長期、短期の目標を明示するとともに、生産計画、マーケティング計画、財務計画等機能別の事業計画を作成する。社内外の関係者や投資家と事業の内容を共有するために、現在どこにいて、これからどの方向へ向かうのか、また、どのような方法で目標にたどり着くのかを、裏付けされたデータを基に論理的に示す必要がある。

 ビジネスプランは事業を開始するためのロードマップであり、経営者や新事業を行うマネージャークラスだけでなく、従事する社員も、これを理解しておかなければならない。まさにビジネスパーソンの必須スキルである。

 このように、経営の勝敗は事前のビジネスプランの精度にあり、運まかせや根性論、戦略の伴わない理想主義は経営者が最も避けるべき思考だといえるだろう。時々、細かいビジネスプランなど要らないし、それで成功したという経営者もいるが、これこそ運が良かっただけであり、継続してビジネスを成功させることが難しいであろう。

【次ページ】ビジネスプラン策定の要点

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