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  • 2015/03/30

今起きているのはデータ革命──ビッグデータを上手に活用するため、最低限必要なこと

爆発的な増加を続けるデータをいかに使いこなし、いかにビジネスの成長へと結びつけていくのか。ビッグデータは実際にどこまで進み、どのような成果が表れているのか。「世界ICTサミット2014」では、日米のビッグデータ関連注目企業の経営幹部やアナリスト4名がパネリストとして集い、「データサイエンスがビッグデータを深化させる」と題して、ビッグデータ活用の世界的なトレンドと普遍的な課題、今後向かうべき方向性を議論した。

フリーランスライター 吉田育代

フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

ビッグデータを可能にしたのはデータの爆発とクラウド

 このパネルディスカッションは、前半にパネリストがそれぞれ短くプレゼンテーションを行い、後半にディスカッションという形式で行われた。

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米ガートナー リサーチ バイス プレジデント兼ガートナーフェロー
マーク・ラスキーノ氏
 最初に登壇したのは、米ガートナー リサーチ バイス プレジデント兼ガートナーフェローのマーク・ラスキーノ氏である。同氏はビッグデータの重要性をガートナーの調査で裏付けながら解説した。

 今日は、ICTのコンシューマライゼーションが進み、消費者が情報発信を行い、さまざまな機器がセンサーを持ち、それがインターネットに接続されるようになった。これらにより取得できるデータが爆発的に増え、広大なデータセンター群によって実現されるクラウドコンピューティングが、それらを一元的に格納することを可能にしている。そのため、「そこからビジネスに有用な新たな事実を発見する可能性が高くなっている」とラスキーノ氏は力説する。またここ数年は、先進国を中心に政府がオープンデータとして多くのデータセットを提供しており、この気運の背中を押している。

 もちろん、ビッグデータ活用においてセキュリティと倫理の問題は十分考慮する必要はあるとラスキーノ氏は語る。ここでその責任を担う新しい職業として、組織の中にチーフ・データ・オフィサー(CDO)とデータサイエンティストを置くことをガートナーは提案している。前者はデータの正しい活用を監視する保安官のような役割を、後者はデータの山の中から新しい価値を導き出す役割を果たす。こうした存在がビッグデータの円滑な活用を推進するとラスキーノ氏は語った。

データサイエンスを支える最新テクノロジー

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米Tableau Software
最高マーケティング責任者
エリッサ・フィンク氏
 続いてマイクを握ったのは、ビッグデータ可視化テクノロジーで大きな注目を集める、米Tableau Software 最高マーケティング責任者 エリッサ・フィンク氏だ。Tableau Softwareはもともと米スタンフォード大学の研究プロジェクトで、研究を率いるパット・ハンラハン教授は、米アニメーションスタジオ ピクサーの創業メンバーでもあったことから、コンピュータ・グラフィックスとリレーショナル・データベースとコンピューティング・パワーはうまく組み合わせられるはずだと発想、Tableau Softwareを立ち上げた。

 それはこれまでのBIソリューションへの挑戦だったという。伝統的なBIツールはプログラマーやデータアナリストのような専門家を必要とする上に、分析結果が出てくるまでには数日から一週間もかかる。一方、Excelはエンドユーザーに開かれたツールではあるが、扱えるデータ量や分析手法に限界がある。

「今日、データボリュームは爆発的に増えており、ソースやフォーマットもさまざまだ。Tableau Softwareは、それらのデータをすべてのユーザーがもっと簡単に効率的に、文字どおり目に見える形でデータの意味を理解できる方法を提供する」(フィンク氏)

 その後フィンク氏は、同社製品を使い、クラウド上にあるGDPデータを例にとって、地域別、年代別、国別など次々に切り口を変えながら、ドラッグ&ドロップ操作だけでビッグデータをビジュアルに可視化する様子をデモして見せた。すでに顧客はテスラモーターズから日本の良品計画、NECまで多くの企業が採用、ビッグデータ・ソリューションに役立てていると胸を張った。

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米Treasure Data
CEO兼共同創業者
芳川 裕誠氏
 データ可視化がビッグデータのフロンドエンドとするなら、データを集めてくるバッグエンドサイドはどうなっているのか。この領域の潮流を代表する企業として登場したのは、米Treasure Dataである。同社は2011年12月に米カリフォルニア州マウンテンビューで創業、データの収集・保存・分析に特化し、そのための環境をクラウドサービスとして提供する。基盤管理を同社が担うことにより、顧客はデータ分析に集中できるというわけだ。すでに世界の企業から預かっているデータ件数は5兆レコードに上り、アナリスト機関やメディアも注目企業として名を挙げている。

 同社のCEO兼共同創業者 芳川 裕誠氏は、プレゼンテーションの中で、日本が必ずしもビッグデータ活用で遅れているわけではないと意見を述べた。そして日本の先進事例として、無印良品がリアル店舗のデータとオンライン店舗、モバイル店舗のデータを統合して、双方向でその傾向を反映させ始めているケース、自動車関連メーカーが自動車に搭載している数百ものセンサーの情報をマーケティングに活かそうとしているケースを紹介した。

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米MapR Technologies
CEO兼共同創業者
ジョン・シュローダー氏
 一方、米MapR Technologies CEO兼共同創業者 ジョン・シュローダー氏は、このパネルディスカッションに先立つ基調講演にも登壇したパネリストである。同社は、Hadoopを駆使し、ミッションクリティカルかつリアルタイムな生産プロセスを支援するエンタープライズレベルのプラットフォームを提供している。  シュローダー氏は、他のパネリスト同様、現在データ革命が起こっていることに同意、MapRの新しいプラットフォームが、センター集中で膨大なボリュームのデータ分析を可能にし、企業が経済的な優位を獲得するのに貢献していると語った。脅威ももちろん存在するが、先進的なグローバル2,000社は、今取り組まなければ勝機を失うという覚悟で、データの効果的な活用に知恵を絞っていると訴えた。

【次ページ】 決して遅れてはいない日本のビッグデータ活用、重要なのはビジョン

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