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  • 2016/07/21

「女性活用とか一度も言ったことはない」 サイボウズ 野水氏が語る「女性活躍」

サイボウズ流ダイバーシティ(前編)

「女性の働き方」を論ずるとき、2つの言葉が使われる。1つは「女性活躍」。もう1つが「女性活用」。「活用」という言葉には「活用する」男性、「活用される」女性が隠れた前提とされているようにも見える。こうなると、「女性の働き方」は女性が解決する課題なのか、男性が管理する問題なのか、誰の課題で、誰が動く必要があるのか判然としない。そもそも、労働に関し「女性」「男性」という線引きは適切なのだろうか。サイボウズ 社長室 フェロー 野水 克也氏は、「男女を区別してはいけない」「男性の働き方を変えなければいけない」と語る。

(取材、執筆:編集部 佐藤 友理)


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「女性活用とか一度も言ったことはない」というサイボウズ

「女性活躍」は男性の課題

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サイボウズ
社長室 フェロー
野水 克也氏
 14日に行われたHR EXPOに登壇したダイバーシティー推進で知られるサイボウズ 社長室 フェロー 野水 克也氏は、「女性の働き方」に関し、「女性・男性と区別することはそもそも差別」とし、サイボウズ流の「チームワーク」「働き方」そして「女性活躍」を下記のように語った。

「日本人は『チームワーク』というと、高校野球のような一致団結して前に進むような『チームワーク』を刷り込まれ、連想しがちですが、サイボウズは違います。『100人いれば100通りの働き方がある』という考え方です。100人の100通りの個性、100通りの働き方、100通りの目指すスキルセットがあります。同じ働き方をしたいと思う人は1人としていないでしょう。そんな1人1人の違い全てを認め、総合的に力を発揮できる環境を整えるには、どういうツールがいいのか。それを考えて、クラウドツール、グループウェアを作っています」(野水氏)

 野水氏は、「ワークスタイル、女性活躍の問題を解決するには、男性の労働時間を減らすことが早道」だという。「女性活躍」という話だけしていると、女性の労働時間が伸びていくが、その裏側には「男性の労働時間を変えない」という矛盾した前提条件があるという。

「ワークライフバランスを考えるとき、『女性が何をする』という話になりがちですが、本当に必要なのは『男性が何をする』という議論なのです」(野水氏)

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OECD加盟国中34カ国中22位の日本の生産性

 日本の労働生産性は非常に低い。OECD加盟国中34カ国中22位だ。この労働生産性を引き下げているのが「残業時間」だ。日本の残業時間は突出して長い。

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長い残業時間、高い自殺率、目立つ50代男性の自殺

 しかし、それで幸せになれているのかというとそうでもないという。日本は先進国の中でロシアに次ぐ男性の自殺率を記録している。野水氏は、日本の自殺の特徴として、50歳前後の自殺者が目立つ点を挙げた。

「こうして見ると、男性も苦しい訳です。女性も男性も苦しんでいます。では、なぜ苦しいのか。高度経済成長期の働き方を引きずっているからです」(野水氏)

野水氏によると、高度経済成長期の働き方は下記の通り。
 1. 同じスキルセットの若者を大量に集める
 2. 同じ教育を施す
 3. 同じゴールを見せて競わせる
 4. 終身雇用、年功序列で企業が社員を保護する

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1975年の人口ピラミッド(左)と2025年の人口ピラミッド(右)

 しかし、終身雇用、年功序列、長時間労働はもう通用しない。なぜか。野水氏曰く、人口ピラミッドが変化したからだ。高度経済成長期は、年齢が上がればその年齢の人口が少なくなったので、終身雇用と年功序列で社内の人材を配置して問題がなかった。しかし、現在の人口ピラミッドでは、世代が上がっても人数が減る訳ではない。つまり、終身雇用と年功序列が通用しなくなったのだ。

「今から9年後の2025年には、50代の人間の人数に対し、20代の人間の人数はその半分。そこで出世へのモチベーションは上がるのか。上がりません。そうなってくると、企業は『報酬』『働く意味』を考え、社員との関係性を見直さないといけないのです」(野水氏)

【次ページ】「女性活躍」は「同化政策」?

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