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  • 2016/12/21

テスラのギガファクトリーが2020年リチウムイオン電池市場を席巻、市場は760億ドルに

フロスト&サリバン連載 「TechVision:世界を変革するトップ50テクノロジー」

ウェアラブルやIoTが広まるにつれ、リチウムイオン二次電池(以下、リチウムイオン電池)の需要は拡大する一方だ。リチウムイオン電池は、フロスト&サリバンが特定した、今後数年間で大きなビジネス機会が見込まれる「TechVision:世界を変革するトップ50テクノロジー」にも選出されており、これまで「要素技術」とみなされてきたが、今ではコア技術として今まで以上に重要度を増している。リチウムイオン電池市場の今後の伸び、テスラのリチウムイオン電池戦略、日本企業のこれからをフロスト&サリバンジャパン副社長兼コンサルティング部長の長竹宏氏が解説する。

フロスト&サリバン ジャパン副社長兼コンサルティング部長 長竹 宏

フロスト&サリバン ジャパン副社長兼コンサルティング部長 長竹 宏

フロスト&サリバン ジャパン副社長兼コンサルティング部長。アジア・北米などを中心に日系企業の海外進出に関するコンサルティングを海外現地で手がけた経験を豊富に有する。現在は日本に在住し、M&Aや海外進出戦略など、日系企業の成長に力点を置いた経営の舵取りに関するアドバイスを継続的に手がけている。

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2020年、リチウムイオン電池はどう伸びる?
© Maxim_Kazmin - Fotolia



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新技術の成長で需要が増すリチウムイオン電池

 リチウムイオン二次電池(以下、リチウムイオン電池)は1985年の誕生後、1991年に商品化された技術であり、現時点で既に基本概念の確立から30年以上を経過したわけであるが、技術の革新が飛躍的に進む現代において、30年という時間は確立された基本概念を覆すのに十分であると言っても過言ではない。

 電池(使い捨ての一次電池・充電可能な二次電池を含む)の用途は、旧来の時計・リモコン・電卓・カメラなどといった小型の家電から、近年はあらゆるウェアラブル機器、ドローン、航空機、電気自動車、スマートグリッド用大規模蓄電池や、IoTまで多岐にわたる。それらの技術の核となるインフラの1つとして電池が挙げられることは、もはや珍しいことではない。

 一方で、ムーアの法則に従って飛躍的に伸びる計算機の性能と電力需要に相反して、二次電池の技術的な成長は大変鈍いと言わざるをえない。とはいえ、電池の研究開発に関わる投資が鈍化しているということは全くない。

 この状況を極限まで単純化すれば、計算機のCPUはナノスケール化と集積によって性能が伸びる単純な幾何の問題であるのに対し、電池は今も昔も電極や溶媒の物質を試行錯誤して改善を追及することでしか性能が伸びない、いわゆる化学の問題であることが根本的な原因であると考えられる。

 化学以外の領域でも、電極の形状や充放電時のプログラム制御などを工夫することで、充放電効率や電圧を上げることが可能であり、それらに関する研究開発も進んでいるが、現行のリチウムイオン電池の充放電効率が既に80-90%であることを考えると、電力を使用する機器自体の急速な省エネ化や、究極の化学物質の発見による化学的技術革新がない限りは、それ以外の工夫は根本的な問題解決にならないことを暗示している。

2020年リチウムイオン二次電池市場規模は760億ドルに拡大

 フロスト&サリバン調べによると、2025年までに500億のデバイスがインターネットに接続されると予想されているが、先に述べたようにウェアラブルやセンサーなど、IoTに関連する機器の多くが電力源として電池を必要としている。

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電池業界における変革トレンド トップ10(2020年まで)
(出典:フロスト&サリバン)


 また、現在、二次電池の総需要のうち、約半分をリチウムイオン二次電池が占めているといわれているが、その割合は今後とも増加傾向にあり、2020年にはリチウムイオン二次電池の市場規模だけで760億ドルに達すると考えられている。

【次ページ】リチウムイオン二次電池市場規模の成長グラフ

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