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  • 2019/02/18

プロボノってなんだ? ボランティアとどう違うのか

「人生100年時代」が現実味を帯びてきた。だからこそ、仕事だけで自身のキャリアを形成していくのではなく、会社から離れた場所での社会貢献活動に力を注ぐ人が増えてきている。その中でも近年注目を集めているのが、これまで培ってきた仕事のスキルや経験を生かしたボランティア活動である「プロボノ」だ。今回は、プロボノの概要や、そこから得られるメリット、プロボノの探し方などについて、網羅的に解説していく。

田中 仁

田中 仁

大手総合商社にて10年間勤務し、新規事業開発を中心に資金調達、財務・会計等を担当。東京のほか、アメリカのベンチャーキャピタルやイギリスの金融機関等にて勤務経験もある。

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最近注目されてきている「プロボノ」。仕事のスキルを仕事の外で生かすことで、新しいキャリアの可能性が見つけられるかもしれない。
(© metamorworks - Fotolia)

プロボノとは

 プロボノとは、ラテン語の「pro bono publico」という言葉の略で、「公共善のために」という意味である。そうなると、地域の清掃活動や障がい者支援といったボランティア活動と同じだと思うかもしれないが、プロボノとボランティアは似て非なるものである。

 プロボノの場合、自分自身が仕事で培ってきた経験やスキルを用いてボランティア活動を行っていくことに最大の特徴がある。いわば本業の延長としての活動であり、自分にとって慣れ親しんだフィールドでその能力を最大限に発揮することを目的としている。そのため、参入のハードルが低く、かつ継続もしやすい。

 プロボノは、元々は米国や英国の弁護士たちが行った、低所得者向けの無料相談サービスが発祥といわれている。弁護士に相談したいという思いはあれど、資金的な問題から一歩を踏み出せずにいた人々を助けるための思いやりがきっかけというわけだ。

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プロボノは米国、英国の弁護士たちの活動から始まった(画像はイメージ)
(© makibestphoto - Fotolia)

 実際、米国法曹協会の弁護士業務規範規則には、「弁護士は年間50時間以上のプロボノを行うべき」という条文があり、日本の弁護士会においても年間10時間の公益活動を義務化している。

 現在のように「プロボノ活動」という言葉が注目を集める前から、法曹界ではその概念が浸透していたのである。そしてその流れは、比較的近しい職種ともいえる税理士や会計士、コンサルタントといった他の士業にも波及していった。現在ではこういった専門的な知識を持った人々だけでなく、一般企業のビジネスパーソンにも活動の波が広がってきている。

 近年になりプロボノが社会に認知され始めてきた背景には、リーマン・ショックなどに代表される金融機関の金儲け主義への反発があった、という考えもある。企業や人は、利益を出すことだけではなく、社会的貢献でも責任を果たすべきだ、と人々が気付き始めたのだ。

 日本においては、2011年の東日本大震災が大きなきっかけになったといえるだろう。東北復興を目的として、弁護士や会計士などが現地へ出向き、地域の人々の支援を行ったことから、その認知度を大きく向上させた。

プロボノのメリット

 自身の経験やスキルを用いて、人と社会に貢献するプロボノ。その活動を通して得られるメリットも多い。

 たとえば、人脈やネットワークの構築だ。士業に限った話ではなく、一般企業であっても社会人のコミュニティは狭くなりがちだ。同じ職場の社員や取引先といった繋がりこそあれ、それ以外の社会には触れることがほとんどない、という人も珍しくない。しかし、プロボノを行えば、必然的に社外の人間や社会への接点が生まれてくる。そうした新しい出会いの中で、自分自身の価値観を醸成したり、新たな取り組みのヒントを得たりすることもできる。

 また、本業の延長として行うプロボノだからこそのメリットもある。それは、自分自身の市場価値の確認と、さらなるスキルの向上だ。

 プロボノの際は、普段の仕事とは違う人を対象にしたり、いつもとは違うメンバーで作業を進めるケースも往々にしてある。そうした際に、自分は仕事を通して社会にどのような影響を与えてることができるのか、また市場における自身の立ち位置やレベルはどういったものなのかを確認することができる。

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社外の人との交流が増えれば、自分の市場価値もわかるようになる(画像はイメージ)
(© BRAD - Fotolia)

 こうした気付きを得ることができれば、今後の成長も早まり、場合によっては新しいキャリアビジョンを描けることもある。先に触れた新たな人脈の構築などとあしまって、成長効果を期待できる。

 加えて、非常に基本的なことではあるが、人や社会に貢献することによって得られる「やりがい」も大きなメリットといえるだろう。給与や昇進といった待遇の改善だけが、人々の働く理由ではないはずだ。自分自身がなぜその道を志したのか、今の自分にできることは一体何なのかを改めて知るチャンスにもなるのだ。

 そして、人生100年時代を生き抜く指標にもなってくれるだろう。今の会社での仕事以外のことにも積極的に取り組んでおけば、もし万が一別の活動をすることになってもその活躍の場を見つけることが容易になり、老後の無気力な生活を回避することにもつながるかもしれない。いくつになっても好奇心を刺激し続けることができる環境を、プロボノを通して用意しておくというわけだ。

【次ページ】パナソニック、NEC、MS、ゴールドマンサックスの事例

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