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  • 2021/11/24 掲載

ミクシィ創業者が語るサービス改善メソッド、新規事業「みてね」は6年で1000万登録

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ミクシィが2015年よりはじめたサービス「家族アルバム みてね」。日本語、英語など7言語で展開し、2021年には世界で1000万人を超えるサービスに成長した。子どもの写真・動画を家族と共有できるアプリの開発のきっかけや、サービスイン、成長期にどんなことに取り組んだのか。ミクシィ 取締役ファウンダーの笠原 健治氏がサービス立ち上げからこれまでを振り返りつつ、サービス改善に必要な5つのポイントを示した。
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「みてね」のサービスコンセプト


自分たちで「家族写真のための気の利いたサービス」を作りたい

 「みてね」誕生のきっかけについて、笠原氏は「自分に子どもが生まれたことがきっかけだった」と振り返る。家族の写真や動画を頻繁に撮影し、それを家族や親戚で共有する機会が増えたことで「どうやって共有するか」が課題になったという。

「さまざまな写真、動画のアルバムサービスを使ってみましたが、家族写真を専門に設計されていないせいもあり、撮影した写真や動画が整理、保存され、後から見返すことができるような気の利いたサービスがないと感じました」(笠原氏)

 徐々に「家族写真に特化したサービスを自分たちで作ってもいいのではないか」との思いが芽生えはじめた笠原氏は、ユーザーアンケートやインタビューなどを通じて「自分の思いが多くの人にとっても課題かどうか」を検証。同時に、笠原氏の下には同氏の思いに共感するチームメンバーが集まった。検証の結果、多くの人にとって課題であることがわかったため、正式にプロジェクトとして立ち上がった。

 「みてね」のコンセプトは「熱量の高い今を共有し、気づくと、熱量の高い履歴が残っている」「その子の人生を丸ごと残せる家族アルバムを!」「世界中の家族の心のインフラを作る!」に定まった。

サービス開始前にはユーザーテストが大事

 笠原氏は、サービス開発時の教訓として「ユーザーテストの大事さ」を挙げる。アプリが完成し、サービスインする約2カ月前に「20人くらいのユーザーに2週間ほど、アプリを使ってもらう」テスト期間を設けた。ユーザーに実際に使ってもらったレビューをもらい、アプリの改善に生かす考えだが「モニターからは思いの外、不評で満足度が低かった」そうだ。

 特にネックとなったのが写真、動画のアップロードのUI(ユーザーインターフェース)だ。笠原氏は「Tinder風の尖ったUIがカッコいいなと思っていた」そうだが、ユーザーからは「誕生日を登録し誕生日を起点として写真、動画を選択、共有するUIというのがわかりにくい」と感じられたようだ。

「今日撮った写真を共有したいのに誕生日起点だと写真を探すのに大変で、共有する写真を選択することができなかったといった意見ももらいました。開発側がよかれと思ったデザインがユーザーニーズとミスマッチだったことがわかりました」(笠原氏)

 そこで、最新の写真から一覧できるリスト形式に変更して、共有する際に選びやすいUIとすることで「今日撮った可愛い写真、面白い動画を共有する」ことを第一にしたのだ。

 笠原氏は「自信を持ってリリースしても使ってもらうと違う評価を受けることはある」として、新規事業、最初はユーザーがいないので、ユーザーの全体像が見えないまま、自分たちの思いで進んでしまいがちだが、ユーザーの声を聞くことで軌道修正が可能になると話した。

サービスイン当初からグローバル展開を見据える

 さらに、サービスインに際しても「オーガニック(検索エンジン)で流入、ダウンロードしてくれたユーザーの不満やニーズなどをくみ上げ、さらにユーザーテストなどで集めたユーザーの意見からなどから知見を得てチューニングを行う」進め方を行った。

 実際に「みてね」のサービスインをプレスリリースしたのが2015年4月だったが、「実はアプリストアにはその4カ月前に公開していた」というのだ。そしてプレスリリースまでの期間に、機能の作り込みや、広告出稿に際してどんなメッセージングがターゲットユーザーに刺さるか、ランディングページの表現などを見直した」と笠原氏は話した。

 このプレスリリース前に学びの期間を設けたことが功を奏し、プレスリリース後は放送作家の鈴木おさむ氏のブログで「偶然取り上げてもらった」ことも相まって認知が急激に上がったという。

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リリース当初に学びの期間を設けたことがよかった

 笠原氏は、「新規事業の開始直後は数字が少ないことにがっかりするプロジェクトマネージャーもいると思うが、地道に認知獲得、ブランド確立に取り組んでいくことが重要だ」と話した。

 「みてね」で当初から今も大事にしている指標は「家族とのつながり」率だ。家族とつながるかどうかを最重要視しており「実際に夫婦や祖父母とつながった家族は、その家族の週次アクティブ率が86%を示すなど、継続率が高い傾向が見られる」と笠原氏は述べる。また、祖父母世代のスマホ普及もサービス成長の大きな後押しとなったという。

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大事にしているのは「家族とのつながり」率だという

 サービス当初から海外展開を見据え多言語化を進め、2017年から本格的に海外へ進出した。笠原氏は「グローバルで取ることでビジネスのスケールを確保できる。グローバルで勝てる存在になりたいと初期から多言語化を進めてきた」と話す。ユーザーの過半数は日本だが、海外ユーザーも増えてきている状況だ。

 アプリストアは海外のストアに容易に公開が可能で、広告プラットフォームを使って海外の認知獲得も簡単に取り組める。また、ユーザーインタビューなど人材確保も容易になっている、といった理由から、笠原氏は「簡単にグローバル化できる時代」と話す。

 なお、「みてね」の場合、海外のユーザーは「日本より家族の概念が広い傾向がある」という。より多くの人とつながる傾向があり、コメント率が高いなどの特徴があると笠原氏は話した。

【次ページ】顕在化したニーズだけでなく「潜在ニーズ」とのバランスが大事

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