- 2022/12/12 掲載
飲食品、電力・ガス過去最高=11月の企業物価指数、9.3%上昇
日銀が12日発表した11月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は前年同月比9.3%上昇の118.5となり、8カ月連続で過去最高を更新した。原材料価格の高騰を受け、分野別の指数も「飲食料品」と「電力・都市ガス・水道」が最高を記録。消費者物価への上昇圧力は今後も強まりそうだ。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格変動を示す。飲食料品は7.2%上昇の110.6。小麦などの原材料や、包装資材価格と物流コストの上昇で、菓子パンや洋生菓子をはじめ幅広い品目が値上がりした。
電力・ガス・水道は49.7%上昇の160.6。6~8月の燃料費上昇が遅れて反映され、価格を押し上げた。農林水産物は7.4%上昇。飼料価格の高騰や、家畜伝染病の鳥インフルエンザ発生の影響で鶏卵などの価格が上がった。
円ベースの輸入物価指数は28.2%上昇したが、前月比では5.1%下落した。世界的な景気減速懸念を背景に原油など商品価格が下落し、円安も一服してきたため。輸入原材料からの物価上昇圧力は和らぎつつある。
とはいえ、消費者に近い加工後の製品では「価格転嫁の動きが残り、粘り強い上昇が続いている」(第一生命経済研究所の大柴千智氏)とみられる。10月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比3.6%上昇と40年8カ月ぶりの伸びとなったが、企業間取引価格の上昇を消費者に転嫁する動きは当面続く可能性がある。
【時事通信社】
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