• 2022/12/15 掲載

焦点:「来年はFRBも緩和転換へ」、投資家の間で根強い見方

ロイター

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[15日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は従来予想より高い水準まで政策金利を引き上げ、より長期にわたって維持する姿勢を示したが、一部の投資家は米経済がリセッション(景気後退)入りし、FRBは利下げを余儀なくされるとみている。

FRBは14日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り50ベーシスポイント(bp)の利上げを行い、政策金利を4.25─4.50%とした。

FRBの金利・経済見通しによると、政策当局者19人の2023年末の政策金利の予想中央値は5.1%。07年以来の高水準で9月の予想から0.5%ポイント切り上がった。

しかし金利先物市場の見方は異なる。14日夜の時点では、23年前半で利上げは打ち止めになり、年末までに4.4%程度まで低下すると予想されている。

コロンビア・スレッドニードルのシニアグローバル金利ストラテジスト、エド・アルフセイニー氏は「FRBは市場を説得することに苦慮している」と指摘。FRBが5%を大きく上回る水準まで利上げすることができると市場は確信していないと述べた。

フランクリン・テンプルトン・フィクスト・インカムのソナル・デサイ最高投資責任者(CIO)は「市場の動きはFRBが直面する課題を如実に表している。それはインフレ対策に対する信頼ではなく、タカ派であり続け信念を貫くことへの信頼だ」と述べた。

BofAグローバルリサーチが今週発表したファンドマネージャー調査では、42%が短期債利回りの低下を予想している。これは20年3月以来の高水準だ。

短期債利回りの低下を見込む金融機関のうち、ドイツ銀行とバンク・オブ・アメリカは来年景気後退入りし、同年末までにFRBが利下げを開始すると予想している。

フェデレーテッド・ヘルメスのポートフォリオマネージャー、RJギャロ氏は「FRBは来年末までに緩和への転換を迫られると市場はみており、今回のパウエル発言もそうした見方を変えるものではなかった」と話した。同氏は米国債と住宅ローン担保証券(MBS)をオーバーウエートにしているという。

バンガード・フィクスト・インカム・グループのグローバル・クレジット・チームを統括するクリストファー・アルワイン氏は、23年後半に浅い景気後退に陥り、同年第4・四半期までにFRBが利下げに踏み切るとの見方を示している。「市場は価格設定についてそれほど大きく外れてはいないが、緩和サイクルに関しては少し先走っていると感じる」と語った。

投資家の多くは景気が鈍化してもFRBは方針を変えないとみている。FRBの経済見通しでは、政策金利は24年に4.1%まで低下するとしている。

コーペイのチーフ市場ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「FRBの声明と経済予測は単純だが説得力のあるストーリーを示している。インフレ圧力が反転する持続的かつ決定的な証拠を確認するまでは、(政策を)『転換』する用意はないというものだ」と分析した。

(Davide Barbuscia、David Randall記者)

*カテゴリーを修正し再送します。

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