- 2022/12/27 掲載
中国工業部門企業利益、1─11月は減少ペース加速 コロナ規制影響
[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が27日発表した1─11月の工業部門企業利益は、前年同期比3.6%減の7兆7000億元(1兆1100億ドル)となった。新型コロナウイルス規制が影響し、減少ペースは1─10月の3.0%から加速した。
統計局の高官は11月に新型コロナ感染が再拡大したことと需要が低迷したことにより工業生産が抑制され、企業への圧力が高まったと分析した。
広州や鄭州といった主要な製造拠点がコロナ対策の打撃を受けた。長引く不動産危機や輸出鈍化も響いている。
中国は12月上旬に厳格なコロナ規制の一部を解除し、26日には来年1月8日から入国時の隔離義務撤廃を発表した。短期的には規制の緩和によって感染が急拡大し経済は一段と低迷する可能性があるが、経済再開により来年は力強い回復が期待できるとアナリストは予想している。
GTJAIのチーフエコノミストHao Zhou氏は多くの都市で新型コロナ感染が急増しているため、12月は工部門利益がさらに減少する可能性があると述べた。
しかし経済活動が正常化する1月以降は大幅な改善が見込まれるとし、今後1年間は民間企業の復活を支援するための強力かつ的を絞った政策が必要との見方を示した。
JPモルガンのアナリストは中国の経済再開が予想より早く行われたと指摘。そのため2023年第1・四半期に一時的な痛みが生じる期間が短くなり、第2・四半期からトレンドを上回る持続的な回復が見込まれるとした。
1─11月の民間企業の利益は7.9%減と1─10月の8.1%減からわずかに改善した。
主要41業種中21業種が減益となり、鉄鋼製錬・プレス業が94.5%減と最も大幅な落ち込みとなった。1─10月は92.7%減だった。
製造業の利益は13.4%減で1─10月から横ばいだった。
工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元を超える大企業が対象。
統計局は7月以降、単月データを公表していない。
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