- 2023/01/23 掲載
物価高でベア巡り攻防=経団連と連合トップ会談―23年春闘、事実上スタート
経団連の十倉雅和会長と連合の芳野友子会長が23日午前、東京都内で会談し、2023年春闘が事実上スタートした。歴史的な物価高に直面し、賃上げの必要性については労使で認識を共有するものの、その水準や手法を巡っては温度差がある。物価の上昇ペースに賃金の伸びが追い付かない中、基本給を底上げするベースアップ(ベア)がどの程度実現するかが攻防の焦点となる。
経団連の十倉会長は冒頭のあいさつで「賃金と物価の好循環を実現する必要がある」と表明。「物価動向を特に重視しながら、企業の社会的責務として、賃金引き上げへ積極的な対応を(会員企業に)呼び掛ける」と強調した。
ただ経団連は、賃上げの手法については、ベア以外に定期昇給(定昇)やインフレ手当、ボーナス加算など、各社の実情に応じて判断すべきだとの姿勢を示している。十倉氏は会談後に記者団の取材に応じ、「ベアをやりたくてもできない企業もある」と指摘した。
これに対し、連合はベアによる賃上げを優先するよう主張。ベアの要求水準を3%程度に設定して前年より1%引き上げ、定昇と合わせて5%程度の賃上げを目指す。芳野会長は会談で「労使が力を合わせ、日本の未来をつくりかえるターニングポイントとすべきだ」と主張。記者団に対し「今年の賃金改定は非常に重要だ」と訴えた。
【時事通信社】 〔写真説明〕春闘に関する連合との会談で、あいさつする経団連の十倉雅和会長=23日午前、東京都千代田区 〔写真説明〕春闘に関する経団連との会談で、あいさつする連合の芳野友子会長=23日午前、東京都千代田区
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