- 2023/02/10 掲載
S&P、日銀の利上げは格付けに影響も 経済・企業に打撃と警告
借り入れコスト上昇は長期的な景気低迷につながる可能性もあると指摘した。
アジア太平洋ソブリン格付けチームのシニアディレクター、キム・エン・タン氏がロイターのインタビューに応じた。
日銀が4月に任期満了を迎える黒田東彦総裁の後任に就く新総裁の下で、イールドカーブコントロール(長短金利操作)政策を段階的に終了し利上げを開始するとの見方から日本の国債利回りは上昇している。
長期金利のさらなる上昇は、すでに大きい日本の債務負担を増加させる可能性があるが、そうした要因は現在のソブリン債格付け「A+」に織り込まれていると、タン氏は指摘。
より大きな懸念は長年の超低金利に慣れた日本企業が、金融引き締めから生じる資金調達コストの上昇を吸収できるかどうかだという。
日銀の金融引き締めは段階的になる見込みで、短期的な経済への影響は限定的にとどまるだろうとした。
その上で、日本企業や経済全般に対するより長期的な影響は懸念事項だとし、「現在は金利が上昇しつつある段階で、再び安定するまでにどの程度上昇するかはかなり不透明だ」と述べた。
また、金利が1─2%ポイント上昇するだけでも、日本企業には大きな影響がある指摘。とりわけ利益が少ない、あるいは債務が多いサービスセクターの企業に打撃を与えるとの見方を示した。
S&Pは日本の長期ソブリン格付けを「A+」、短期ソブリン格付けを「A─1」としている。長期ソブリン格付けの見通しは「安定的」。
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