- 2023/02/28 掲載
米海運業が小売業とコンテナ運賃交渉、値下がりでも納期遅れる恐れ
毎年このイベントをきっかけとして、海運会社とウォルマートや中小小売会社、さまざまな輸出業者などの間で年間のコンテナ運賃や輸送量に関する契約交渉のシーズンが事実上始まる。アジア太平洋航路は海運会社にとって最も収益性が高く、他の地域の運賃交渉の基準にもなるので、注目度は高い。
米小売業界にとって今年はコンテナ運賃が大幅に下がっている点は朗報といえるが、専門家の話では、海運業界が一部の輸送を取り消して運賃引き上げを図ろうとしているため、納期の遅れに悩まされるかもしれない。
1月に入ってロサンゼルス港では17件の輸送取り消しがあり、今後件数はもっと増えると予想されている。カリフォルニア州南部の玩具メーカー、MGAエンターテインメントのアイザック・ラリアン最高経営責任者(CEO)は「(海運会社が)コンテナを滞留させ続ければ、われわれは最終的にクリスマスに間に合わなくなる恐れがある」と懸念を示した。
コンテナ運賃はまずスポット市場で下落が始まった。消費者の支出対象がパンデミック中のモノから旅行や娯楽にシフトしたことが理由だ。その後景気後退(リセッション)観測や競争激化もあり、長期契約運賃もスポット並みになりつつあるという。
関連コンテンツ
PR
PR
PR