- 2023/03/10 掲載
午後3時のドルは136円台で大きく上下、日銀政策据え置きで
日銀が会合結果を発表したのは午前11時半。事前の市場では、黒田東彦総裁が任期最後の会合で今後の緩和解除に向けた道筋を付ける形で政策修正を実施するとの思惑がくすぶっていたため、据え置き発表後に円が急落した。発表前の135円後半から136円後半まで、一気に1円近くドル高/円安が進んだ。
ドルは136円半ばから後半を何度か上下した後、136円半ばで値動きが落ち着いてきた。市場では、次期総裁に就任が決まった元日銀審議委員の植田和男氏が今後政策修正を進める可能性があるとの見方が多く、一段の円安には至らなかった。
前日海外市場から強まっているリスクオフムードが、円安を抑制したとの指摘もあった。9日の米国株式市場では、資金繰り難に陥った米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの株価が62%超急落。下げは銀行株を含めて全体に広がって米国の主要株価指数は軒並み安となり、きょうのアジア株も全面安となった。
市場では「金融システム不安に陥るような事態には至っていないようだが、金利が急上昇している環境下、資金の目詰まりがどこで発生するかは注意が必要だ」(外銀)との指摘が出ていた。
株安を背景に、前日4%台だった米10年債利回りはアジア時間の取引で1カ月ぶり低水準となる3.81%までさらに低下した。SBIリクイディティ・マーケットの金融市場調査部長、上田真理人氏は「リスクオフ地合いで米国債券が選好される中、今晩発表の米雇用統計が予想を下回る内容となれば、ドルの調整が深くなる可能性がある」との見方を示した。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 136.63/65 1.0584/88 144.64/68
午前9時現在 136.36/38 1.0584/88 144.35/39
NY午後5時 136.14/16 1.0580/82 144.05/09
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