- 2023/03/10 掲載
日経平均は6日ぶり大幅反落、米雇用統計への警戒や過熱感で
日経平均は237円安でスタート。寄り付き後も下げ幅を広げ、前引けにかけては350円程安い2万8200円台後半で推移した。前引け直後に、日銀が大規模な金融緩和策を維持すると発表すると、日経平均先物は下げ幅を縮小した。ただ、後場に入ると海運や金融株、主力銘柄を中心に売り圧力が強まり、大引けにかけては一時500円を超える下げとなった。
前日の米国市場で銀行株が大幅安となったことで、東京市場でも朝方から金融株の下落が目立った。加えて、「日銀が追加の政策修正を行わなかったことで、後場は一段安となった」(国内証券のストラテジスト)という。
岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは、前日の米市場でフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)やナスダック総合が大きく下落した割には、関連銘柄への影響は限定的だったとし、「日本株の底堅さを示す動きとなった」と指摘する。
米金融引き締めで景気減速が懸念される米国に対し、「コロナ禍からの経済正常化が遅れた日本は経済回復が意識されている」(国内証券・アナリスト)との見方もあった。
TOPIXは1.91%安の2031.58ポイント。東証プライム市場指数は1.91%安の1045.36ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆1566億4900万円と、商いが膨らんだ。東証33業種では、銀行業や海運業、保険業など31業種が値下がり。値上がりはゴム製品とパルプ・紙の2業種だった。
個別では、中期経営計画を発表した日本郵船が6.5%安となった。みずほフィナンシャルグループは前場に昨年来高値を更新したが、後場に急落。4.5%安で取引を終えた。三井住友フィナンシャルグループは5%安、三菱UFJフィナンシャル・グループは5.6%安と、大手行が軒並み大幅安となった。指数寄与度の高いファーストリテイリングやソフトバンクグループも軟調だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり125銘柄(6%)に対し、値下がりが1673銘柄(91%)、変わらずが37銘柄(2%)だった。
PR
PR
PR