- 2023/03/13 掲載
米銀破綻、市場への波及注視=国内行へ直接影響見られず―金融庁・日銀
米シリコンバレーバンク(SVB)などの経営破綻は、国内では事業構造の特殊性に基づくものと受け止められており、日本の銀行に直接的な影響は見られていない。ただ、金融市場や銀行に対する不安が広がれば、金融システムを揺るがしかねず、金融庁や日銀は状況を注視する構えだ。
SVBは、スタートアップ(新興企業)などから集めた法人預金が大半を占める特殊な事業形態で、「預金構造がいびつ」(メガバンク)だった。このため、地方銀行を含めた国内行に同様のリスクが生じる可能性は低いとされ、SVBとの取引も限定的とみられる。
ただ、破綻が金利上昇によって引き起こされたことに警戒感は強い。日銀は今後、現在の大規模金融緩和からの「出口戦略」を探ることになるが、「(金利上昇など)金融環境の変化がもたらすリスクは小さくないと再確認した」(銀行関係者)といった声が出ている。
また、スタートアップが主要顧客だったことで、「(日本でも)今後ベンチャーへの資金が流れにくくなる」(大手銀行)といった不安も出ている。金融庁幹部は「金融機関への影響は少ないだろうが、状況を注視していきたい」と指摘。日銀も米当局の動きを見ながら、対応を検討する。
【時事通信社】
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