- 2023/03/14 掲載
中国新興企業、SVBに代わる銀行探しに奔走
[上海/香港 13日 ロイター] - 中国のスタートアップ企業や企業家、ベンチャーキャピタル(VC)にとって、米シリコンバレー銀行(SVB)は外資系銀行として主な取引先だったため、同行の突然の破綻はこの業界に衝撃を走らせた。米当局が預金の全額保護を打ち出したにもかかわらず、これらの企業はSVBに代わる銀行探しに奔走している。
より大きな米銀に目を向ける企業がある一方で、招商銀行や中国工商銀行など中国の一部銀行が早速SVBの後釜に入ろうと動き始めた。
これらの銀行はかねてよりSVBと同様の口座サービスを提供してきたが、その牙城を崩すのに苦心していた。SVBは20年以上前から中国で事業を展開し、中国企業との合弁企業もあり、アーリーステージ(起業直後の段階)の中国スタートアップ企業の間で支配的な地位を確立している。
杭州市の銀行プラットフォーム・スタートアップ企業、QBITのウー・ユージュン最高経営責任者(CEO)はこの3日間、口座開設の問い合わせが通常の6倍に増えたと明かした。大半はSVBの顧客企業からの問い合わせだった。
米国に本社があり、主にアジア中小企業と取引するCBインターナショナル・バンクは、SVBから引き出した資金を早急に預けたいという問い合わせを多く受けていると説明した。
一部の中国VCからは困惑の声が聞かれる。SVBはアーリーステージ企業に特に優しいといった強みがあるからだ。
SVBに預金があるVCの幹部は「安全に口座を開いてくれる銀行をまだ探している最中だ。ベンチャーキャピタルに優しい銀行は多くない」と語った。
中国投資銀行大手の幹部は「資金を引き出すのが最も簡単な選択肢だが、米国でSVBに匹敵する水準のサービスを提供してくれる銀行は他に見当たらない」と打ち明けた。
だが上海のスタートアップ企業創業者、スティーブン・チェン氏は「SVBが空けた穴は次の銀行が埋めるだろう。これはチャンスだ」と語った。
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