- 2023/04/20 掲載
モルガンS、第1四半期利益は予想上回る ウェルスマネジメント好調
[19日 ロイター] - 米金融大手モルガン・スタンレーが19日に発表した2023年第1・四半期決算(3月31日まで)は利益が市場予想を上回った。ウェルスマネジメント部門の収益の増加が、投資銀行部門とトレーディング部門の不振を補った。
リフィニティブのデータによると、同四半期の1株当たり利益は1.70ドル。アナリストの平均予想は1.62ドルだった。普通株主に帰属する利益は20%減の28億ドルとなった。
中核である投資銀行業務が振るわず、総収入は約2%減の145億ドルとなった。
投資銀行部門の収益は24%減の12億5000万ドルにとどまった。株式トレーディング収益は14%減少、債券トレーディング収益は12%減少した。
市場の不安定な値動きや急激な金利上昇を背景に、投資家のリスク選好度が後退してM&A件数が減少。株式公開を見合わせる新興企業もあるなど、投資銀行にとって逆風が吹いた。
商業用不動産の劣化やローン返済遅延に備え、貸倒引当金は2億3400万ドルを計上。前年同期の5700万ドルから急増した。
一方、ウェルスマネジメント部門の収入は11%増加し、1100億ドルの純新規資産を獲得した。
ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)は声明で「ウェルスマネジメント事業への投資は引き続き実を結んでいる」と述べた。
ゴーマンCEOは決算発表後のアナリストとの電話会議で「銀行危機には至っていないが、一部の銀行では破綻が起き、今後も起きる可能性がある」との見解を表明。ただ、当局が影響を最小限にとどめるよう動いていることから、2008年の金融危機時に起きた住宅ローン債権の大暴落とは「比較にならない」と述べた。
オッペンハイマーのアナリスト、クリス・コトウスキー氏は顧客向けリポートで、投資銀行業務の収入は予想を上回ったものの、依然として低水準だとしながらも、「投資銀行業務や資産運用の手数料収入にプレッシャーがかかる環境下で、16.9%の有形株主資本利益率は非常に立派な業績だ」とした。
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