- 2023/04/25 掲載
米債務上限懸念で1カ月物証券に買い、3カ月物との利回り差最大に
アナリストは7月か8月に資金枯渇に陥る可能性が最も高いと予測。そのため一部投資家はこの時期に償還期限を迎える債券を避けている。
1カ月物の利回りは低下し、1カ月物と3カ月物の利回り差(スプレッド)は2001年に1カ月物が導入されて以来、最も大きな水準に拡大した。
ソシエテ・ジェネラルの米国金利戦略担当責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は「債務上限懸念のためにかなりのフロントエンドに需要がある。待機資金も多くなっており、資金は地方銀行から大銀行に流れ、そこからマネーマーケットファンド(MMF)に流れた。MMFは過去最高の水準にある」と語った。
地銀破綻を受けて財務省証券への需要が高まっているものの、財務省は債務上限問題のため短期債の発行を減らしている。
TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、ゲンナディ・ゴールドバーグ氏は「市場は神経質になっており、債務上限問題を避けているが、財務省証券の供給が減り続けているため、残念ながら行き場がない」と述べた。
1カ月物の利回りは直近で3.362%。20日には昨年10月20日以来の低水準となる3.206%を付けた。フェデラルファンド(FF)金利を130ベーシスポイント(bp)ほど下回り、08年以降で最も大きな格差となっている。
一方、3カ月物利回りは5.113%まで上昇し、20日に付けた22年ぶりの高水準5.318%のすぐ下で推移。1カ月物と3カ月物の利回り差は約175bpと過去最大に広がった。
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