- 2023/07/28 掲載
米ファストフード大手、素材コスト低下で利益率が改善
ドミノピザ、マクドナルド、チポトレ・メキシカン・グリルの3社は、数四半期前には素材価格の高騰によりメニュー価格を引き上げざるを得なかったが、足元では素材コストが落ち着いたため恩恵を受け始めているという。
連邦政府の統計によると、卸売物価はここ数カ月で上昇率が鈍っている。6月は最終需要向け食品の投入コストが前年同月比0.3%増え、伸びはピークだった昨年終盤の15%から大幅に鈍化した。
こうした状況の変化により、一部のファストフード大手は今年末にかけて値下げに踏み切る可能性がある。
マクドナルドのイアン・ボーデン最高財務責任者(CFO)は27日、決算発表後の電話会見で、「今年下半期にインフレが低下し始めれば、当社の価格水準も下がり始めると予想している」と述べた。
ドミノピザが24日発表した第2・四半期決算は、利益が市場予想を上回った。チーズ価格の下落が収益に寄与した。
同社のサンディープ・レディCFOは24日の電話会見で、素材コストの低下により「当社のフランチャイズの収益性に大きな違いが出る」と指摘。これによりフランチャイズでは昨年に圧迫された収益がいくらか改善するとの見方を示した。
チポトレは、牛肉よりも鶏肉を選ぶ顧客の方が多いことで恩恵を受けている。牛肉の値上がり傾向が根強く続く中、通常は牛肉よりも安い鶏肉が同社の収益性を高めている。アボカド価格も第2・四半期に下がった。
チポトレは全体の売上高に占めるコストの比率が第2・四半期に29.4%となり、前年同期から約100ベーシスポイント(bp)低下した。
Mサイエンスのシニア調査アナリスト、マシュー・グッドマン氏は、素材コストが下がればチェーン各社は値上げの動きを止める可能性があると指摘、「それでも利益率を維持」できると述べた。
チポトレの店舗レベルでの利益率は27.5%と約230bp上昇した。BTIGのアナリスト、ピーター・サレー氏によると、これは第2・四半期としては2015年以降で最高の水準だ。
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