- 2025/05/09 掲載
NY市場サマリー(8日)株続伸、ドル上昇、利回り上昇
トランプ米大統領とスターマー英首相は8日、貿易に関する「画期的な合意」を発表。米国は英国からの輸入品に対する10%の基本税率を維持するが、英国は米製品に対する関税率を5.1%から1.8%に引き下げ、米製品の市場アクセスを拡大する。
メルク・ハード・カレンシー・ファンドの最高投資責任者、アクセル・メルク氏は、市場はこの貿易協定を前向きにとらえていると評価。これはトランプ大統領が友好国に対しては10%の基準を掲げ、それを超える分は交渉の対象としていることを意味すると指摘した。
貿易協定の発表を受け、ドル/円JPY=EBSは4週間ぶりの高値となる146.175円まで上昇した。終盤では1.55%高の146円となった。
ドル/スイスフランCHF=EBSは1.07%高の0.8323フランとなり、5月1日以来の高値に並んだ。
<債券> 米金融・債券市場で国債利回りが上昇し、10年債利回りは2週間ぶり、2年債利回りは3週間ぶりの高水準を付けた。米英が2国間の貿易協定締結で合意したことで、関税措置を巡り米国と協議を行っている他の国も近く同様に合意できる可能性があるとの楽観論が広がった。
米英はこの日、貿易に関する「画期的な合意」を発表。米国は英国からの輸入品に対する10%の基本税率を維持するが、英国は米製品に対する関税率を5.1%から1.8%に引き下げ、米製品の市場アクセスを拡大する。米国の主要貿易相手国との関税交渉で初の合意となる。
こうした動きはトランプ米政権が掲げる関税措置で引き起こされた世界的な緊張が緩和に向かう兆しと受け止められ、株式などのリスク資産に資金がシフトした。
BNY(ニューヨーク)の米州マクロストラテジスト、ジョン・ベリス氏は「(米英の)貿易を巡る合意が成立したことを受け、状況は懸念されたほど悪くなく、多くの合意がこれに続く可能性があるという楽観的な見方が市場に広がった」と指摘。「(トランプ政権が掲げる)関税の脅威が薄れ、米英の合意が一連の協定の第一歩になれば、米連邦準備理事会(FRB)はそれほど大幅な利下げを行う必要はなくなる」と述べた。
一方、FHNフィナンシャル(シカゴ)のマクロストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は慎重な見方を表明。米英の合意は「比較的容易に締結できる協定の一つだった」とし、トランプ政権にとって望ましい一歩ではあるものの、劇的に変えるようなものではないと述べた。
<株式> 米国株式市場は続伸して取引を終えた。米英間の貿易協定や、トランプ大統領が週末に予定される貿易を巡る米中高官協議について実質的な討議が行われると述べたことが好感された。
英国は合意の一環として、米国製品に対する関税を5.1%から1.8%に引き下げ、牛肉など農産物の一部の市場を開放する。米国は英国からの輸入品に対する10%の基本税率を維持する。
米英間の合意でロールスロイスRR.L製の航空機部品が関税の対象から除外されたことを受け、航空株が買われた。
S&P500旅客航空株指数.SPLRCALIは5.4%高。デルタ航空DAL.Nが7.2%上昇し、指数を押し上げた。
ラトニック米商務長官が、英国は米航空機大手ボーイングBA.Nの航空機100億ドル相当を購入すると述べたことから同社株は3.3%上昇、ダウ工業株30種.DJIで最も好調なパフォーマンスとなった。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安全資産としての金需要が後退する中、続落した。
トランプ米大統領は8日、英国との貿易協定に署名したと発表。米国は英国への10%の相互関税は維持するものの、英国製自動車への関税を大幅に引き下げ、鉄鋼、アルミニウムは撤廃する。一方、英国は牛肉など農産物や産業用機械などの市場を開放する。トラ ンプ政権が大半の貿易相手国に対する関税政策を表明して以降、初の合意。米国は日本やインド、韓国、ベトナムなどとも協議を進めている。これを受け、世界的な通商摩擦が緩和するとの期待が広がり、安全資産としての金需要が後退。金は売りにさられた。 一方、米連邦準備理事会(FRB)は7日まで開かれた連邦公開市場委員会(FO MC)で、3会合連続で政策金利の据え置きを決定。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で金融政策の変更を「急ぐ必要はない」と強調した。早期利下げ観測が後退する 中、この日は米長期金利の指標である10年債利回りが上昇。金利を生まない資産である金の投資妙味が薄れたことも、相場の下押し要因となった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米英貿易協定の締結発表を好感した買いが入り、反発した。
トランプ米大統領はこの日、英国との貿易協定に合意したと発表した。10%の相互関税は維持するものの、自動車への関税を大幅に引き下げ、鉄鋼、アルミニウムは撤廃する。 一方、英国は牛肉など農産物や産業用機械などの市場を開放するとした。米政権の関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意となる。これを受け、日本やインド、韓国、ベトナムなどとの交渉進展期待が高まり、リスク選好ムードが拡大。株高を眺めて原油先物にも買いが波及した。
トランプ氏はまた、ベセント米財務長官が週末、グリア米通商代表部(USTR)代表とともに、中国の経済政策を担当する何立峰副首相と行う公式協議について、「興味深いものなるだろう」と発言。相場は昼ごろ、一時60ドルの節目を回復した。しかし、高関税の応酬で激しく対立する米中の交渉の行方は予断を許さず、上値追いの動きは鈍かった。 石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国が3日、6月の供給量増加で合意し、供給過剰懸念がくすぶっていることも引き続き投資家心理を圧迫した。
ドル/円 NY終値 145.91/145.
93
始値 144.76
高値 146.17
安値 144.44
ユーロ/ドル NY終値 1.1227/1.12
29
始値 1.1287
高値 1.1320
安値 1.1213
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 96*17.0 4.8458
0 %
前営業日終値 97*21.5 4.7720
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*30.5 4.3804
0 %
前営業日終値 99*25.5 4.2750
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.7 3.9883
5 %
前営業日終値 100*00. 3.8730
25 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*24.1 3.8802
3 %
前営業日終値 99*29.3 3.7930
8 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 41368.45 +254.48 +0.62
前営業日終値 41113.97
ナスダック総合 17928.14 +189.98 +1.07
前営業日終値 17738.16
S&P総合500種 5663.94 +32.66 +0.58
前営業日終値 5631.28
COMEX金 6月限 3306.0 ‐85.9
前営業日終値 3391.9
COMEX銀 7月限 3261.7 ‐17.4
前営業日終値 3279.1
北海ブレント 7月限 62.84 +1.72
前営業日終値 61.12
米WTI先物 6月限 59.91 +1.84
前営業日終値 58.07
CRB商品指数 292.0142 +2.2518
前営業日終値 289.7624
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