- 2023/07/29 掲載
米PCE価格指数、6月前年比上昇率3%に鈍化 2年3カ月ぶり低水準
[ワシントン 28日 ロイター] - 米商務省が28日発表した6月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年同月比で3.0%上昇し、伸び率は2021年3月以来、2年3カ月ぶりの低水準だった。5月は3.8%上昇していた。
PCE価格指数の伸びが大きく鈍化したことで、米連邦準備理事会(FRB)が1980年以来の急ピッチで進めてきた今回の利上げ局面が終了に近づくとみられる。
6月は基調的な物価圧力も緩和。労働省が発表した第2・四半期の雇用コスト指数(ECI)の伸びも鈍化しており、FRBが想定する経済の「ソフトランディング(軟着陸)」に対する慎重ながらも楽観的な見方が高まった。
ブリーン・キャピタル(ニューヨーク)のシニア経済アドバイザー、コンラッド・デクアドロス氏は「一段の進展が必要ではあるものの、インフレは鈍化しており、FRBが9月に再利上げを決定する公算が小さくなっている」と述べた。
PCEは前月比では0.2%上昇した。5月は0.1%上昇していた。6月は食品が0.1%低下、エネルギーが0.6%上昇した。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年同月比で4.1%上昇し、伸び率は21年9月以来の低水準。ロイターがまとめた市場予想は4.2%上昇だった。5月は4.6%上昇していた。
コアPCE価格指数の前月比は0.2%上昇し、市場予想は0.2%上昇だった。5月は0.3%上がっていた。
比較対象となる2022年に物価が高騰していたベース効果により、前年比上昇率は緩和している。食品価格は22年2月のロシアによるウクライナ侵攻前の水準に戻った。
FRBはインフレ率目標を2%とした金融政策で、PCE価格指数に着目している。
米国の経済活動の3分の2超を占める個人消費支出は6月に前月比で0.5%増えた。市場予想は0.5%増だった。5月は0.2%増と、当初発表の0.1%増から改定された。
6月は自動車購入が急増したほか、金融サービス、保険支出も増加。住宅・光熱費、娯楽サービス、娯楽用品、家具、耐久消費財への支出も増加した。
個人消費はインフレ調整後でも0.4%増加。第3・四半期も堅調に伸び続ける可能性が示された。
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