• 2023/07/29 掲載

欧州市場サマリー(28日)

ロイター

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[28日 ロイター] - <ロンドン株式市場> ほぼ横ばいで取引を終えた。日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の運用柔軟化を決めたことで金利上昇への懸念が高まって売りが広がる一方、英製薬のアストラゼネカが製薬株の上げを主導して相場を支えた。

四半期利益が予想を上回ったアストラゼネカは3.3%上昇し、FTSE350種製薬・バイオテクノロジー株指数は1.76%上げた。

一方、日銀の決定が長年の超緩和的な金融政策からの転換と受け止められたことで英10年物国債利回りが上昇。金利に敏感な不動産株指数は1.33%下げた。

投資家は、25ベーシスポイント(bp)の利上げ決定が見込まれる来週のイングランド銀行(英中央銀行)の金融政策決定会合に注目している。

英大手銀行スタンダード・チャータード(スタンチャート)は4.0%と大幅上昇。通期決算の利益見通しを上方修正したことや、10億ドル規模の新たな自社株買いを発表したことが好感された。

英銀のナットウエストは2.3%高。上半期の利益が予想を上回り、旧ブレグジット党党首のナイジェル・ファラージ氏の口座閉鎖を巡ってアリソン・ローズ最高経営責任者(CEO)が突然辞任したのを受けた下落から回復した。

主要銀行の決算内容を受けて銀行株指数は0.87%上げた。

中型株で構成するFTSE250種指数は4日ぶりに反落し、0.77%下落した。

<欧州株式市場> 反落して取引を終えた。まちまちの決算発表や日銀のサプライズ的な政策調整を背景に売り注文が優勢となった。一方、ドイツのDAX指数は上昇し、インフレ鈍化の兆候が材料視された。

日銀は28日、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用柔軟化を決定した。厳格に抑制してきた長期金利上限を緩め、大規模な金融緩和からの脱却が始まるとも見られる動きを示した。

インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「緩和政策を実施してきた中銀の最後の一つが緩和的な政策から脱却しつつある」と指摘し、「今回の日銀の動きは、ヘッジファンドのキャリー取引に大きな影響を与える可能性があるため恐れられていた」との見方を示した。

ドイツのDAX指数は0.39%上昇。ドイツのインフレ率が7月に鈍化傾向を示したことが発表され、取引時間中の最高値を更新した。

STOXX欧州600種指数は週間では1.16%上げ、3週連続で上昇。テクノロジー株指数が3.13%、資源株指数が2.24%それぞれ上昇した。

フランスのITサービス大手キャップジェミニはこの日、7.0%下落。2023年第2・四半期決算の内容がさえなかったのが嫌気された。

<ユーロ圏債券> 経済指標で金融引き締めサイクルの早期終了の可能性が示されたことを受け、短期債を中心に利回りが低下した。長期債は日銀のタカ派的な政策の微調整で圧迫され、利回りは上昇した。

ドイツ連邦統計庁がこの日に発表した7月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比6.5%上昇し、6月のプラス6.8%から鈍化した。

また、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁はこの日、ECBは金利について一段の措置を取るべきだが、9月になるかどうかは今後のデータ次第との考えを明らかにした。カジミール氏はECB内でタカ派と位置付けられている。

こうした中、金利見通しに敏感に反応しやすい独2年債利回りは3.20%と、1.5ベーシスポイント(bp)低下した。

一方、独10年債利回りは2.5bp上昇の2.43%。一時は2.554%と、7月12日以来の高水準を付けた。

日銀は27―28日に開いた金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の運用柔軟化を決定。これまで10年金利の変動幅の上限を0.5%で厳格に抑制してきたが、連続指し値オペの利回りを1%へ引き上げて機動的に対応する。

これを受け、日本の10年債利回りは9年ぶりの水準に上昇した。

日本の投資家は多額の外国債を保有しており、国内資産の魅力が増せば、欧州へのエクスポージャーを減らす可能性があるとの見方も出ている。

コメルツ銀行のアナリストによると、日本の投資家が保有する外国長期債は2兆ドルを超えており、内訳は55%がドル建て、18%がユーロ建てとなっている。ユーロ圏国債で最も保有が多いのがフランス国債で、独連邦債の保有規模はオランダ国債と同程度という。

ダンスケ・バンクのエコノミスト、ピエト・ヘインズ・クリスチャンセン氏は、日銀の今回の決定による世界市場への影響は、日銀が日本の10年債利回りの上昇をどの程度許容するかによると指摘。ただ、日本の利回りがまだ1%に近づいていないことに言及し、「(厳格に上昇を抑える)ハードキャップなら、日本でもっと大きな反応が見られるはずだ」と述べた。

<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード

ユーロ/ドル    1.1036 1.0951

ドル/円 140.71 139.76

ユーロ/円 155.32 153.06

<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード

STOXX欧州600種 470.78 -0.96 -0.20 471.74

FTSEユーロファースト300種 1861.26 -4.34 -0.23 1865.60

ユーロSTOXX50種 4466.50 +19.06 +0.43 4447.44

FTSE100種 7694.27 +1.51 +0.02 7692.76

クセトラDAX 16469.75 +63.72 +0.39 16406.03

CAC40種 7476.47 +11.23 +0.15 7465.24

<金現物> 午後 コード

値決め 1954.25

<金利・債券>

米東部時間13時56分

*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード

3カ月物ユーロ 96.27 +0.02 96.25

独連邦債2年物 105.02 +0.07 104.95

独連邦債5年物 115.83 +0.09 115.74

独連邦債10年物 132.98 -0.01 132.99

独連邦債30年物 134.62 -0.56 135.18

*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード

独連邦債2年物 3.239 -0.040 3.150

独連邦債5年物 2.573 -0.015 2.580

独連邦債10年物 2.469 +0.005 2.455

独連邦債30年物 2.574 +0.021 2.546

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