- 2023/10/17 掲載
米GMとフォード、ストで財務戦略見直しも=アナリスト
[デトロイト 16日 ロイター] - 米自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターは新しい電気自動車(EV)の開発に数十億─百億ドルを投じる一方で、株主還元を行う野心的な計画を立てている。これらは内燃機関で走行するピックアップトラックやスポーツ用多目的車(SUV)の販売で得られる堅調な利益によって賄われる。
しかし全米自動車労組(UAW)が大手3社の従業員による一斉ストライキを開始。各社ではストによる損失が拡大しており、さらに従業員の待遇改善で労使交渉が妥結することで、計画がリスクにさらされているとアナリストらは指摘する。
モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョーンズ氏は12日付の顧客向けリポートで、「設備投資の削減、EV目標の先送り、コスト負担の拡大、そのほかの企業『ポートフォリオ』の変更が近く起こり得る」と予想した。
GMは既に7─9月期決算がスト関連コストで2億ドルの影響を受けると予告している。
JPモルガンのアナリスト、ライアン・ブリンクマン氏は、ストでGMとフォードに5億ドル超の損失が生じたと指摘。現在、1日当たりの損失額はフォードが4400万ドル、GMは2100万ドルに上るとの推定を示した。
UAWのフェイン会長が11日、フォードで最も収益性が高いケンタッキー州のピックアップトラック工場でのスト入りを指示したことが、同社に強い打撃を与えた。会長によればこの工場は年間250億ドル、1分当たり4万8000ドルの売り上げを生んでいる。
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