- 2025/05/09 掲載
3月実質賃金2.1%減、3カ月連続マイナス 名目も鈍化=毎月勤労統計
[東京 9日 ロイター] - 厚生労働省が9日に公表した3月の毎月勤労統計速報によると、実質賃金は前年比2.1%減だった。3カ月連続のマイナスで、減少幅も2月の1.5%から拡大した。名目賃金の伸びが鈍化する一方、コメを含めた食料品などの高騰で物価がプラス3%─4%超で高止まりしており、実質賃金には厳しい局面が続いている。
3月は労働時間が前年比マイナス2.9%と、昨年6月以来の減少幅だった。トラック運転手の労働時間に上限を課した「2024年問題」などが影響した。パート労働者の比率も前年比0.48ポイント上昇する中、キャベツやコメなどの価格が高止まりし、実質賃金にとって「厳しい状況」(厚労省担当者)となった。
労働者1人当たりの平均名目賃金を示す現金給与総額は、同2.1%増の30万8572円だった。プラスは39カ月連続だが、伸び率は前月の2.7%増から縮小した。現金給与総額のうち、賃上げのベアを反映する所定内給与(基本給)は1.3%増で、前月と変わらなかった。
消費者物価指数(持家の帰属家賃除く総合)の上昇率は同4.2%と前月の4.3%からほぼ横ばいだった。1月に復活した電気・ガス代の補助金が2月の請求分から反映されており、1月の上昇率4.7%に比べると鈍化している。
今回の3月分から、すべてを含めた「総合」の消費者物価指数を考慮した実質賃金を追加した。政府の経済財政諮問会議での議論を踏まえ、物価変動の物差しとして国際比較しやすい指数も使うことにした。「総合」の伸び率は3.6%で、同指数を反映した実質賃金は1.5%減と、2月の0.8%減からマイナス幅が拡大した。
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