- 2025/05/09 掲載
香港銀行間取引金利が急低下、米ドル資産や中国本土から資金流入
流動性の急増は香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)からの資金供給に加え、香港市場における新規株式公開(IPO)が活況となっていることも反映している。
米ドルに対する信認が失われる中、HKMAは米ドルとのペッグ制を採用する香港ドルの価値を取引レンジ内に維持するため介入を実施しており、銀行システムにおける香港ドルの量が増えている。
主な流動性指標となる翌日物香港ドルHIBORは0.09786%まで低下し、約3年ぶりの低水準となった。
また、週間の低下幅は少なくとも2006年以来最大となる4.2%ポイントに達している。
上善資本集団のエコノミスト、アンドリュー・シャ氏は「投資家が米ドル資産を香港ドルに変えているため、金利が押し下げられている」と指摘。さらに「中国本土の経済状態が悪く、貿易戦争の影響を心配する国内投資家もいる」ため、中国マネーも香港に流入しているという。
光大証券国際のグローバルマーケット&FX担当ストラテジスト、キミー・トン氏は、金利がさらに下がるかどうかは週末の米中協議次第だと指摘。協議があまり順調に進まないようなら香港市場に資金が流れ続ける可能性があるとの見方を示した。
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