- 2025/05/14 掲載
中国新規銀行融資、4月は予想以上の急減 貿易戦争で需要低迷
[北京 14日 ロイター] - 中国の4月の新規人民元建て融資は予想以上に急減した。4月は例年、融資が低迷するが、米国との貿易戦争が長引き、融資需要が一段と減少した。
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した統計に基づくロイターの算出によると、4月の新規融資は2800億元(約388億7000万ドル)。ロイターがまとめた市場予想の7000億元を下回った。3月は3兆6400億元、前年4月は7300億元だった。
キャピタル・エコノミクスは「銀行融資の伸びは再び減速したが、国債発行急増を背景に幅広い信用の伸びは引き続き加速している。金融緩和で民間信用需要は今後数カ月押し上げられるとみているが、緩やかな増加にとどまると予想している」との見方を示した。
4月の融資残高は前年比7.2%増と過去最低を記録した。3月は7.4%増、市場予想も7.4%増だった。中銀は月次データを公表していないため、1ー4月と1-3月のデータ基づきロイターが算出した。
1-4月の新規融資額は10兆0600億元。前年同期の10兆1900億元から減少した。
中国の銀行は質の高い顧客を獲得し、市場シェアを拡大するため、年初に前倒しで融資を行うため、通常4月の融資は低調となる。
ロイターの算出によると、住宅ローンを含む家計融資は4月に5216億元減少した。3月は9853億元増だった。法人向け融資はは2兆8400億元から6100億元に減少した。全体としては、長引く不動産危機、地方政府の負債、デフレ圧力によって借り手の信頼は損なわれている。
4月は米国との貿易戦争がエスカレートし、融資需要が一段と減少。家計や企業の間に広がっていた慎重ムードがさらに強まった。
4月のマネーサプライM2の前年比伸び率は8.0%。ロイターがまとめた市場予想は7.3%、3月は7.0%だった
M1の前年比伸び率は1.5%。3月は1.6%だった。
広義の与信・流動性を示す社会融資総量残高は前年比8.7%増で13カ月来の高水準となった。3月は8.4%増だった。景気支援を目的とした国債発行の拡大が寄与した。
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