- 2025/06/26 掲載
CM再開は不透明=スポンサー、改革実行を注視―フジテレビ
フジテレビ親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主総会が25日開かれ、新たな経営体制が発足した。ガバナンス(企業統治)改革を担う新経営陣が信任を得たことで、フジテレビはスポンサーの不信を払拭し、CM放送の早期再開につなげたい考えだ。ただ、スポンサーの多くは改革の実行状況をなお注視する構えで、再開の動きが広がるかは不透明だ。
フジテレビは1月、元タレント中居正広氏による性加害問題への対応が批判を浴び、スポンサーがCM放送を差し止める動きが急速に拡大。第三者委員会が3月に公表した調査報告書で同社の人権軽視の体質やガバナンス不全を赤裸々に指摘したことで、スポンサー側の不信は深まった。
フジテレビは信頼回復に向け、社長に就いた清水賢治氏を中心に再発防止策を策定。役員の定年制導入のほか、編成局とバラエティ制作局を解体・再編し、アナウンス室を編成局から独立させるなどの対策を相次ぎ打ち出した。
6月には政府の広告出稿解禁にこぎ着けるなど、道筋は整いつつある。清水氏は時事通信のインタビューでも「『株主総会が一つの節目』と話す広告主は多い。新体制が信任を得るのかを見ている」と総会後のCM再開に期待感を示した。
だが、日本生命保険の筒井義信前会長は24日の記者会見で「信頼回復がどう実現するか確証を持った上で再開したい。総会があってすぐ再開ということにはならない」と強調。別の大手企業幹部も「再発防止策をどう実行するかが大事で、それを見ないといけない」と再開には慎重な姿勢を崩さない。
企業統治に詳しい牛島総合法律事務所の牛島信代表弁護士は、中居氏問題について「特に消費者向けの事業をしている企業は神経質だと思う」と指摘。その上で、CMを再開してもらうには「問題の解決に向け、世の中が納得できるような対応をすべきだ」と語る。
【時事通信社】 〔写真説明〕株主総会を終え、取材に応じるフジ・メディア・ホールディングス(HD)の清水賢治社長=25日午後、東京都港区
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