マードック氏のメディア帝国、後継者の長男が支配権を固める

Dawn Chmielewski

[８日 ロイター] - 「メディア王」と呼ばれたルパート・マードック氏が抱える米テレビ局ＦＯＸニュースや米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）などを傘下に持つニューズ・コーポレーションについて、後継者である長男のラクラン・マードック氏が支配権を固めることでマードック家が合意したと、８日発表された。

これでルパート氏が築いたメディア帝国を、政治的に保守思想のラクラン氏が名実ともに引き継ぐことが確定した。

合意に基づき、ルパート氏の子どもたちであるジェームズ・マードック、エリザベス・マードック、プルデンス・マクラウドの３氏は６カ月以内にそれぞれの保有株を売却する。売却されるのはＦＯＸのＢ種株式約１６９０万株とニューズのＢ種普通株式約１４２０万株で、対価として現金を受け取る。

支給額は明らかにされていないが、米紙ニューヨーク・タイムズは情報筋の話として３氏がそれぞれ約１１億ドルを受け取ると報じた。

また、ラクラン氏およびきょうだいのグレース・マードック、クロエ・マードック両氏の財産管理を委託する「家族信託」が設立される。ニューヨーク・タイムズによると、信託の保有資産の評価額は約３３億ドル相当となり、マードック家が保有し続けるＦＯＸとニューズ・コーポレーションの株式を抱える。

ニューズ・コーポレーションは、ニューヨーク・タイムズが報じた家族信託の保有資産評価額や、ルパート氏の子どもたちに支給される金額についてコメントすることを拒否した。ＦＯＸもコメント要請に応じなかった。