- 2025/11/28 掲載
イタリアの企業、AI 統合防衛網「ミケランジェロ・ドーム」、欧州防衛体制の強化へ
AIでミサイル、ロケット、ドローンといった空中および飛来脅威を検知・追跡・迎撃できる能力を備える
ビジネス+IT
Leonardo の CEO Roberto Cingolani は、このシステムが特定の兵器プラットフォームに依存せず、既存の各国の装備や施設と組み合わせ可能な「ネイティブな軍事機器に依存しない」設計であると説明した。つまり、装備構成の異なる複数国が、共通の基盤により迅速に防空体制を構築できるという。
この Michelangelo Dome は、企業側によれば「防衛産業史上最大級の統合プログラム」であり、AI/ドローン/宇宙/サイバー技術を含む Leonardo の過去数年の戦略の延長線上にある。現在試験段階にあり、完全な運用開始は 2028年とされる。
発表を受けて、イタリアの国防相 Guido Crosetto は、エネルギー施設や空港などがハイブリッド戦争──ミサイルやドローン、サイバー攻撃が複合するような脅威──の標的になりやすい現状を踏まえ、このような統合空防システムの必要性を強調した。さらに Michelangelo Dome を基盤とした欧州全体での防衛協力の可能性にも言及している。
欧州では、例えば European Sky Shield Initiative のように多国間での防空力強化の取り組みが進んでおり、Michelangelo Dome はその流れと整合する新たな枠組みになると見られる。Leonardo による今回の発表は、こうした欧州向け多国間協力と相互運用性の実現を視野に入れたものだ。
一方で、2025年4月には米国が AI と宇宙ベースのミサイル防衛構想 Golden Dome を提示しており、Michelangelo Dome はこのような世界的な流れの一端と位置づけられる。Leonardo が RF/通信システムのソフトウェア定義化や AI/センサー統合に取り組んでいた点も、今回の発表と無関係ではない。
今後は、イタリア国内だけでなく、他欧州諸国との協力関係がどこまで進むか、また NATO の枠組みで標準化されたプラットフォームとして普及するかが焦点となる。特に装備間の相互運用性、運用指揮の共有、情報とセンサーの統合が、防衛力の底上げに不可欠になる。