- 2025/12/08 掲載
デジタル庁、プリファードの国産LLM「PLaMo翻訳」をガバメントAIに導入
行政文書の多言語翻訳に特化した国産モデルを国の共通基盤に採用
ビジネス+IT
Preferred Networks(PFN)のPLaMo翻訳はPFNが開発する大規模言語モデル「PLaMo」シリーズの一部であり、翻訳に特化した性能を備える。デジタル庁は、日本語の行政文脈や国内特有の用語体系に適合しやすい国産モデルを採用することで、海外製モデルに比べ文脈誤訳の減少やプライバシー保護の強化が期待できるとしている。ガバメントAIは複数のモデルを用途ごとに使い分ける構成をとっており、PLaMo翻訳はその中で翻訳専用モデルとして位置づけられる。
今回の導入は既存のガバメントAI環境に組み込む形で行われ、行政職員は追加の設定を必要とせずに利用できる。また、翻訳対象はテキスト文書だけでなくPDFなどの読み取りが必要な形式にも対応する予定とされる。翻訳精度については、デジタル庁が独自に行った検証で一定の品質を確認したうえで導入を判断したとしている。
さらに、PLaMo翻訳の適用範囲は今後拡大される可能性があり、他言語への対応、専門分野の用語強化、長文処理能力の向上など、段階的なアップデートが検討されていると報じられている。ガバメントAIはもともと国産モデルの積極的採用を掲げており、今回の導入はその方針に沿ったものとなる。政府は、国外クラウドおよび国外モデルへの依存度を下げつつ、安全性と説明可能性を確保した形でAIを行政サービスに取り入れる取り組みを進めている。
また、PFN側は、PLaMo翻訳が政府基盤で採用されたことについて、公共分野での国産モデル活用の広がりを後押しするとして歓迎の意向を示した。報道によれば、PFNはPLaMoシリーズの改良を継続しており、行政向けのフィードバックも今後のモデル改善に反映される見込みである。
今回の導入により、ガバメントAIは汎用LLMと翻訳特化LLMを併用する構成となり、業務内容に応じたモデル選択が可能となった。海外との連携が増える政府機関において翻訳需要は高まっており、PLaMo翻訳の導入は行政文書の国際発信や多言語行政サービスの基盤強化につながるとみられる。
AI・生成AIのおすすめコンテンツ
AI・生成AIの関連コンテンツ
PR
PR
PR