- 2025/12/08 掲載
米マーベル・テクノロジー、光電融合のセレスティアルAIを買収 AI半導体強化へ
次世代AI向け半導体事業と光電融合によるAIサーバー向けデータ転送技術の拡大狙いか
ビジネス+IT
セレスティアルAIは、データセンター向けに光ベースのオンチップ/オフチップ接続技術を開発する企業で、特にAIモデルの巨大化によって増大する演算間のデータ転送需要に対応するための高速・省電力の光技術を強みとする。マーベルは、自社のスイッチングチップやカスタム半導体ソリューションにセレスティアルAIの技術を取り込むことで、AIサーバー向け製品の競争力を高める方針。
報道によれば、AI訓練および推論処理では、GPUなどの演算装置間のデータ転送がボトルネックとなっており、光インターコネクト技術はその課題を解消する有望な手段とされている。マーベルは既存のネットワーク向け半導体事業を有しているが、AI関連市場の急伸に伴い、演算集約型ワークロードへ対応するためのインフラ強化が必要と判断したとみられる。
ロイターは、今回の買収がマーベルのAIプラットフォーム統合強化策の一部であると報じ、同社幹部が「次世代AIシステムでは高速かつ効率的なデータ移動が不可欠であり、光インターコネクト技術の導入は戦略的に重要」と述べたとしている。また、Bloombergは、セレスティアルAIは過去に大手VCから多額の資金調達を行っており、次世代AIハードウェア分野で注目度の高い企業だったことを指摘している。
今回の買収は、AI向け半導体市場で企業間競争が激化する中で行われたもので、NVIDIAやAMDが自社間接続技術(NVLink、Infinity Fabricなど)を強化する流れに対し、マーベルが光ベースの差別化技術を取り込む動きとなる。データセンター事業者やクラウド企業が求める高速・低遅延の接続ソリューションに応えることが、AIインフラ市場での存在感拡大につながるとみられる。
買収後、セレスティアルAIの技術や研究チームはマーベルのAIインフラ部門に統合される予定で、今後はマーベルのAI向けカスタムシリコン開発およびデータセンター向けネットワーク製品に光インターコネクト技術を組み合わせた製品展開が進む見通し。各報道では、買収による短期的な数値影響は現時点で明らかにされていないものの、長期的にはAI関連事業の強化につながると伝えられている。
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