- 2025/12/08 掲載
リコー、Google の「Gemma 3」ベースの日本語LLMを開発、オンプレミス導入に最適化
プライベートな社内運用や情報機密性が求められる業務に対応
ビジネス+IT
新モデル開発に当たっては、リコーが独自に収集・整備した約1万5千件のインストラクションチューニングデータを使って Instruct モデルを生成し、そこから抽出した Chat Vector を Gemma 3 に重ね合わせる「モデルマージ」手法を採用。これにより、ベースモデルに対して性能向上を実現したとしている。
この構成により、企業は「オンプレミス(自社サーバ等に設置)」で高性能な日本語LLMを運用可能となる。社外への通信を伴わない閉域環境で動かせるため、機密情報や個人情報を含む業務にも適しており、情報セキュリティやコンプライアンスの観点から安心感が高い。
また、リコーはこれまでに多様なLLM/LMM開発を手がけており、例えば2025年6月には図表やグラフを含むドキュメントの読み取りに対応したマルチモーダルLLMの基本モデル開発を完了し、無償公開していた。これらの知見・技術を蓄積しており、新たなGemma 3 ベースのモデルもその延長線上にある。
リコーは公式として、GPUサーバ1台分の比較的軽量なインフラで稼働可能な「オンプレLLMスターターキット」を提供中。導入時の構築支援、運用支援、教育支援なども含まれており、社内にAIの専門人材がいなくても導入しやすい体制を整えている。これにより、中堅・中小企業を含む幅広い企業の利用を見込んでいる。
以上のように、リコーの新しい日本語LLMは、Gemma 3 の強力な基盤を活かしながら、企業の実務環境やセキュリティ要求に配慮したオンプレミス導入に適したモデルとなっており、企業の生成AI活用の選択肢を大きく広げるものと言える。
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