- 2025/12/10 掲載
NTT、次世代都市構想「“光の街”づくり powered by IOWN」を始動
2031年にNTT日比谷タワーを建設、本社を日比谷へ移転へ
ビジネス+IT
NTT日比谷タワーは、オフィス、産業支援施設、商業施設、ホール、ホテルなどを併設した大規模複合施設となり、延床面積は約36万㎡とされている。オフィス部分にはIOWNを始めとする先端通信・情報基盤が導入される。低層部分には、屋内通路「Cross Gate(仮称)」という吹き抜けのアトリウム空間を設け、壁面・天井一体の大型LEDビジョンや音響/映像のXR技術などを活用した、従来のオフィスビルとは異なる新しいライフスタイルやエンターテインメントの場として機能させる計画である。
この街づくりの目的として、NTTは主に三つの価値創造を掲げている。一つは、IOWNによる高速・大容量通信や低消費電力ネットワーク、AI/データ処理基盤などを活用することで、企業や研究機関、クリエイター間のリアルタイム・グローバルなコラボレーションを促進し、新たなビジネスやサービスの創出を支える「ビジネスイノベーション」。
二つめは、前述のCross Gate をはじめとする共用スペースおよびXRや大型映像・音響技術の導入によって、働くだけでなく “働き、暮らし、体験する” 新たなライフスタイルやエンターテインメントを実現する場を提供すること。
三つめは、IOWNによる光電融合技術や省エネ設計を通じて、建物全体の消費電力を従来比で大幅に削減し、サステナブルで環境負荷の低い「超低消費電力ビル/街」の構築を目指すこと。停電時には非常用発電設備で数日間の電力供給を確保するなど、災害対策も織り込まれている。
また、IOWNはNTTが以前から掲げる通信・情報基盤構想であり、光ファイバ中心の「オールフォトニクスネットワーク (APN)」、光と電子を融合したデバイス群 (光電融合デバイス)、およびデータ中心インフラ (DCI) で構成される。最新フェーズでは光電融合スイッチなどの開発が進み、通信と演算における大幅な省電力化と高速化を実現する技術として、街や建物だけでなくデータセンターや各種産業インフラへの適用が見込まれている。
NTTはこの日比谷での実装を、単なる本社移転ではなく、IOWNを核とした次世代スマートシティの実証フィールドと位置づけており、将来的には得られた知見を周辺エリアや日本全国、さらに世界に展開していく構想を示している。
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