- 2025/12/26 掲載
鉱工業生産11月は2.6%低下、自動車・リチウム電池減産で3カ月ぶりマイナス
Yoshifumi Takemoto
[東京 26日 ロイター] - 経済産業省が26日公表した11月の鉱工業生産指数(速報、2020年=100)は前月比2.6%低下し3カ月ぶりのマイナスとなった。ロイター集計民間予測は同2.0%低下でこれを下回った。自動車、リチウムイオン電池などの大幅減産が響いた。基調判断は「一進一退」で据え置いた。企業の生産計画に基づいた予測指数は12月が前月比1.3%上昇、2026年1月は同8.0%上昇を見込む。
<1月予測指数は統計理由で過大の可能性>
11月の生産を下押ししたのは、普通乗用車(前月比12.8%減)、リチウムイオン電池(同24.0%減)、ノートパソコン(43.8%減)、ばね(同8.2%減)など。
自動車生産は海外、国内向けともに減産。ばねも自動車減産が響いた。ノートパソコンは小中学生に1人1台ずつ配る政府の「GIGAスクール構想」向け買い替え需要の反動減が響いた。
半導体製造装置(21.8%増)、航空機用発動機部品(同22.0%増)などは増えた。
予測指数は上振れしやすい傾向があるため、これを考慮した12月の補正値は前月比0.6%の低下にとどまった。1月は例年他の月と比べ生産日数が少なく、季節調整を行っているが、過去3年の1月生産実績がコロナや認証不正など特殊要因で大きく落ち込んでおり、統計処理上の理由で予測値が大きく出ている可能性があるという。
<化学業界に中国輸出増影響>
経産省では生産計画を上方修正している企業の割合から下方修正している企業の割合を差し引くことで企業のマインドを指数化しているが、12月調査では強気が24.3%、弱気が31.1%で、11月と比べ弱気の割合が増加した。
中国経済の影響に関しては「エチレン業界から、中国の生産増により輸出増が難しくなっている」(経産省幹部)との指摘があるという。
※過去の関連記事は[JPIP1=ECI]でご覧になれます。
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