- 2026/01/19 掲載
中国主導のデジタル通貨プロジェクト、決済総額が555億ドルに
[ロンドン 16日 ロイター] - 米シンクタンク「アトランティック・カウンシル(大西洋評議会)」は、中国が主導する国境を越えた中央銀行デジタル通貨(CBDC)の決済基盤「プロジェクトmBridge」の決済総額が555億ドルに達したことを報告書で公表した。2022年の導入初期の約2500倍に膨らみ、決済総額の約95%はデジタル人民元(e─CNY)が占めると試算されている。
米ドルに依存した国際決済システムに代わる仕組みを構築する動きが勢いを増していることを改めて示した。
試験運用中のプロジェクトmBridgeには中国のほかに香港、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアの中銀が参加している。越境決済の取引件数は4000件を超えたという。
中国人民銀行(中銀)の最近の統計によると、デジタル人民元の決済件数は34億件を超え、決済総額は約16兆7000億元(約2兆4000億ドル)と23年の9倍超に膨らんだ。
中国国営メディアは昨年12月、デジタル人民元をデジタル銀行口座やウォレットで保有する利用者に対する利息の支払いを26年に開始すると報じた。利用促進を目指した動きとの見方が広がっている。
アトランティック・カウンシルのアリシャ・チュハンガニ氏は「これらの動きを総合すると、デジタルインフラを通じた人民元の国際化が徐々に拡大していることを示す」とした上で、「プロジェクトmBridgeがドルの支配的地位を直接脅かす可能性は低いものの、ドルの基盤を徐々に浸食する可能性がある」と指摘。今後は貿易決済、特に中国が中心的な役割を担うエネルギーと商品関連の取引に力を入れる可能性が高いとの見方を示した。
中国人民銀は、決済総額に関する営業時間外のコメント要請に直ちには応じなかった。
プロジェクトmBridgeに当初加わっていた国際決済銀行(BIS)は24年10月、撤退することを発表。現在は米ニューヨーク地区連銀、ユーロ圏を代表してのフランス銀行、日本銀行、スイス国立銀行(中銀)、イングランド銀行(英中銀)など中銀7行が参加する別のCBDC実証実験プロジェクト「アゴラプロジェクト」に加わっている。
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