- 2026/01/22 掲載
アングル:第3四半期決算、来期の増益確度が焦点 衆院選がかく乱要因
衆院解散を巡る思惑で日経平均は14日、5万4487円32銭に上昇し、取引時間中、終値ベースともに史上最高値を更新した。「日経平均が一時5万4000円台に乗せたことを踏まえると、市場の目線は既に来期へ向かっている」と山和証券の調査部部長・志田憲太郎氏は指摘する。
今回の決算では、来期に向けて業績改善の実現性がどれだけ高まるかを図ることになりそうだという。大手証券や運用会社の26年度の企業業績見通しでは、2桁増益を予想する見方が優勢だ。三井住友DSアセットマネジメントの昨年12月24日付のリポート(金融とソフトバンクグループを除く372社対象)では、AI(人工知能)向けを含む半導体・データセンター需要の増加や米関税引き上げへの対応の進展を背景に、26年度は営業利益が前年同期比14.6%増、純利益が同15%増が見込まれている。
四半期決算で来期への期待をつなぐに当たって「想定より減益予想の企業が増えたり、思ったより各企業の増益幅が小さかったり、ネガティブ要素がないかがチェックポイントになる」と山和証券の志田氏は話す。
<半導体株、「設備投資動向」カギに>
来期業績を主導するとみられるAI・半導体関連では、需要の高まりが継続し、業績が堅調な企業も多い。岩井コスモ証券のシニアアナリスト・斎藤和嘉氏は「半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の決算からは設備投資の堅調な計画が明らかになっている。その恩恵を日本の半導体メーカーが受けられているかを確認したい」と指摘する。決算では、将来に向けた積極的な投資計画に言及があるかもポイントになりそうだ。
一方、斎藤氏は対中取引の多い企業では「予定通り案件が受注されているか確認したい」という。個別では、KOKUSAI ELECTRIC、SCREENホールディングスが上期の段階で中国向けの案件が下期や来期に後ずれしていると説明していたとして「遅れている受注案件の動向に注目」している。
自動車株では、主力のトヨタ自動車は、電気自動車(EV)販売が好調だったと見込まれるほか、円安基調もあって上方修正への期待が強いと岡地証券・投資情報室長、森裕恭氏はみている。決算発表では「賃上げが続くと見込まれる中、目先はどれだけ製造コストを下げられるかがカギになる。生産省力化に向けた設備投資の姿勢を確認したい」という。
日産自動車やホンダは、昨年11月に車載向け半導体不足による生産の遅れがあり、減産がどれだけ業績に影響したかが焦点になりそうだ。
<銀行株、金利上昇への対応確認>
衆院選では、与野党が食料品の消費減税を打ち出し、財政懸念の高まりから債券市場で超長期債を中心に金利上昇圧力が強まっている。銀行セクターでは金利高の業績影響に関心が向かうが、市場では利ざや改善への期待と保有債券の含み損への懸念が綱引きとなっている。
中間決算では3メガバンクとも通期見通しを上方修正し、堅調な業績トレンドは続いているとみられているが「債券の含み損を株式など他の資産の利益でどの程度カバーできているか見極めたい」とSBI証券の鮫島豊喜・企業調査部シニアアナリストは話す。
21日の東京株式市場では、財政悪化懸念がくすぶって金利が上昇基調にある中、「悪い金利上昇」との受け止めから、利ざや改善期待より保有する円債の含み損リスクが意識され、メガバンク株や保険株が軒並み下落した。
一方、食料品の消費減税が実施された場合、食品小売セクターにとっては追い風と見込まれる。野村証券は19日付のリポートで、食品スーパーや食品売上構成比の高いドラッグストアなどにはポジティブとし「節約志向が緩和されれば、買上点数の回復や高付加価値商品の拡販といった一品単価上昇も想定される」と指摘した。
もっとも「仮に好業績が示されたとしても素直に株高となるかは不透明」(楽天証券経済研究所のシニアマーケットアナリスト・土信田雅之氏)との声もある。決算シーズンのピークと前後する2月8日に衆院選の投開票を控えており、選挙情勢が株式相場を左右する可能性があるという。指数や投資家センチメントへの影響が大きいアドバンテストは1月28日、トヨタ自動車と東京エレクは2月6日に決算を発表する。
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