- 2026/01/16 掲載
【単独】メルカリ・ハヤカワ五味氏に聞いた「AI利用率95%の裏側」、失敗しない3条件
連載:マスクド・アナライズの生成AI最前線
AIスタートアップ社員として、AIやデータサイエンスについてSNSによる情報発信で注目を集める。現在は独立して、イベント登壇、研修・セミナー開催、書籍執筆、企業向け生成AI・ChatGPTの導入活用支援などを手掛けている。支援実績は北海道庁、日立製作所、JR西日本、シーメンスヘルスケアなど。著書に「会社で使えるChatGPT」「AI・データ分析プロジェクトのすべて」がある。
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生成AI活用でぶち当たった「3つの壁」
企業における生成AIの導入推進には、さまざまな壁が立ちはだかる。これは、会社全体で生成AIを活用するメルカリも同様だった。ハヤカワ氏は2024年7月の入社から生成AI活用における活動を開始しているが、活用推進に向けて3つの壁にぶつかったという。1つ目が「AIは嘘をつく」など技術の理解が足りないという「技術理解の壁」、2つ目は「取り組む必要が無い」と消極的な「組織の壁」、3つ目がAIに対して否定的な感情面における「人の壁」だ。当時を振り返ってこう説明している。
「技術の壁に近いですが、さらなる問題としては、利用者が生成AIに指示するプロンプトや回答結果の間違いを見抜くリテラシーがハードルになっていました」
こうした中でも、活用を積極的に推進していくとの方針を打ち出した決定打となったのは、2025年2月に登場したディープリサーチだという。
「従来は間違った回答をする懸念がありましたが、ディープリサーチでは参照元も回答してくれます。さらにプロンプトに関わらず、回答結果の品質が上がってきました。こうして『使わない理由がなくなった』ことが大きいです」
技術における壁は、生成AIの進歩によって解消されてきた。しかし組織や人における心理的な壁が残っている。メルカリにはITに詳しくAIに積極的な人材が多く属している印象があるものの、実際には異なる状況だった。
「人や組織は、変化に対してストレスを感じます。私も入社から変化を許容してもらうまでに半年以上かかりました。もしも他社で生成AI導入を進めるなら、6カ月から1年程度の計画を立てて、なるべく早くスタートするべきでしょう。変化の対応には時間がかかるので、社内の体制を整えてからではなく、早く始めることが重要です」
組織における変化が伴う中で、さまざまな感情が飛び交う。こうした状況において、生成AI担当者は成功のカギを大きく握る。では担当者の条件や経営層による支援はどのようなものが必要だろうか。 【次ページ】成否を分ける、生成AI担当「3つの選任条件」
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