- 2020/09/17 掲載
ブラジル中銀、予想通り政策金利を2.00%に据え置き ガイダンス重視の姿勢
金利据え置きの決定は全会一致だった。金融政策委員会(COPOM)は声明で、インフレ率は短期的に従来予想を上回る可能性があるが、向こう2年では従来予想を若干下回る可能性があるとの見通しを示した。
中銀は前回会合まで9会合連続で利下げを実施。声明で、一段の緩和は金融市場の安定を脅かす恐れがあるとの認識を改めて示した。
しかしCOPOMは緩和サイクルの終了は示唆せず、新型コロナウイルスの世界的大流行を背景に景気回復を巡る不透明感は異例に高いほか、財政刺激策は年末に期限切れとなる公算が大きく、経済に占める割合が大きいサービス部門は弱いと指摘した。
BNPアセット・マネジメント(サンパウロ)のチーフエコノミスト、タティアナ・ピネイロ氏は「声明は予想よりもハト派的だった」とし、緩和サイクルの終わりというよりは停止を示唆したと分析した。
「結局のところ、財政の状況が改善し、インフレ率が目標を下回り続ければ、COPOMにはなお利下げの余地がある。ドアは開かれている」とした。
ロイター調査では、エコノミスト38人中37人が、政策が維持されると予想していた。
COPOMは、フォワードガイダンスに基づくと、インフレ率が中銀目標に向かって再び上昇しない限り、向こう1年、もしくは2022年に入っても政策金利が引き上げられる可能性は低いとした。
「インフレ目標達成に適切とみなされる金融刺激策を講じる一方で、必要とされる慎重さを維持するため、追加の金融政策ツールとしてフォワードガイダンスの活用が適切だと中銀は考えている」と説明した。
追加の金融刺激策の余地はあったとしても「小さい」とし、財政の軌道とインフレ率見通しに左右されるとの認識を示した。
COPOMはまた、市場に基づく金利予測と1ドル=5.30レアルの想定為替相場を用いた「ハイブリッド」予測モデルで、今年のインフレ率は約2.1%、来年は2.9%、2022年は3.3%になるとの見通しを示した。
先月は市場に基づく金利予測と1ドル=5.20レアルの想定為替相場を用いて今年のインフレ率は1.9%、来年は3.0%、22年は3.4%になるとの見通しを示していた。
20年、21年、22年の公式なインフレ目標はそれぞれ4.00%、3.75%、3.50%。22年に目標に近づくと見込んでいる。
COPOMは、政府の財政の軌道と改革路線に対するリスクが、市場における金利およびリスクプレミアムに上昇圧力をかける可能性があると改めて警告した。
*内容を追加しました。
(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)
関連コンテンツ
PR
PR
PR