- 2020/09/29 掲載
米経済、包摂性なければ完全に回復せず=クリーブランド連銀総裁
メスター総裁は「力強い経済の達成には、機会(の均等)と包摂性が重要」とし、「包摂的な経済の促進に向けた措置が取られなければ、米経済は潜在能力を完全に発揮できない」と述べた。
その上で、高等教育へのアクセス改善や、金融サービスへのアクセスを巡る不平等性を撤廃することなどで改善が望めるとの考えを示した。
また、米経済は住宅など低金利の恩恵を受ける分野で改善が見られるが、回復には時間がかかり、新型コロナウイルスに左右される分野もあると述べた。
例えば、在宅で仕事ができるようになった人もいるし、自動車の販売も増えているが、レストランや中小企業など対面でのやり取りを必要とするサービス業は回復が遅れていると指摘した。
西ペンシルベニアのアフリカ系米国人商工会議所が主催したオンラインイベントでの質疑応答で、メスター氏は「現在、多くの業種で経済活動は回復しているが、旅行、レジャー、娯楽などの大部分では回復が見られない。この状況はしばらく続くだろう」と話した。
同氏は記者団に対し、米失業率は今年末の時点で7─8%に、インフレ率は1%を上回る水準になる可能性があるとした上で「雇用、インフレともにFRBの目標には、まだ遠いと言える」と述べた。
金融政策については「脆弱」な景気回復を支えるため、しばらくは緩和的な状況が続くとの見方を示した。低金利は、雇用最大化を図り、インフレ率が一時的に2%を上回ることを容認するFRBの新戦略とも合致するとした。
メスター氏は、FRBの資産買い入れも緩和効果を提供しているとし、プログラムのさらなる修正を行うかどうかは、経済の動向次第だと指摘。「現時点ではうまく調整できていると思う」とし、「金融政策はやるべきことをやっている」と語った。
*内容を追加しました。
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