- 2020/09/30 掲載
米の財貿易赤字、8月は3.5%拡大 企業が在庫積み上げ
赤字は拡大したものの、GDPが第2・四半期に1947年以来の落ち込みになったことを受け、第3・四半期は過去最大の伸びとなるとの見方は変わらない。
米経済は夏期に事業再開や政府の支援策を追い風に伸びた。ただ新型コロナの感染数が増えているほか、企業や失業者に対する企業の支援資金が先細りしており、第4・四半期を前に経済活動は鈍化してきた。
財の輸入は3.1%増の2012億8800万ドル。輸出は2.8%増の1183億4800万ドルと、輸入の伸びが輸出を上回った。
輸入のうち消費財が7.0%増と伸びが目立った。食品と資本財も増えた。一方、産業用資材は減った。
輸出は産業用資材と食品が増加。一方、自動車・同部品と資本財は減った。
貿易は第3・四半期に2019年第2・四半期以来初めて、GDPの重しとなる可能性がある。ただ、輸入品の大半は在庫補充に充てられることを踏まえると、財の貿易赤字が拡大することによるGDPへの影響は限定的とみられる。
商務省が別途発表した8月の小売在庫(速報値)は前月比0.8%増だった。7月は1.2%増加していた。8月は自動車・同部品が0.6%増。GDPの算出に用いられる自動車を除く小売在庫は0.9%増と、7月の0.6%増から加速した。
8月の企業在庫(速報値)は前月比0.5%増と、7月の0.1%減から持ち直した。在庫投資は第3・四半期GDPの押し上げ要因となる見込み。これまで5四半期連続で押し下げ要因だった。
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